「人は見た目で決まる!外見は大事だ!」
「いやいや、人は見た目じゃない!大切なのは中身に決まっている!」
人は見た目と中身のどちらが重要か?という議論は、いつの時代になっても収まりません。
あなたはどちらが大事だと思いますか?
今回は、私が昔ホストクラブの面接を受けた際に、70代の経営者のおじいちゃんから学んだ、外見と中身の関係性をまとめてみました。
目次
高収入のアルバイトを見つける!

これは私がまだ、20代前半だった頃の話です。
独立を志して会社を辞めた私でしたが、特に何をすれば良いのかわからず、貯金の残高が刻一刻と減っていきました。

インターネットで検索してみると、男性の高収入のアルバイトを紹介している会社のHPに辿り着きました。
ホストクラブやら、レンタル彼氏やら、メンズキャバクラやら、やたらと怪しげな求人が立ち並ぶサイトです。
「自由出勤でシフト提出の必要無し!週3勤務で月収100万円も可!」
胡散臭さは全開でしたが、とりあえず面接を受けることに。

求人サイトを見て連絡したのですが。

そうしましたら面接をさせて頂きたいので、○月×日の午後△時、新宿の□交差点前にお越しください。
お迎えに参りますので。

承知致しました。
ところで一つ質問なのですが、仕事はどんなことをするのでしょうか?

電話ですと詳しくお話できないので、当日面接の時にお聞きください。

承知致しました。
それでは、当日よろしくお願い致します。
そして当日を迎えるのでした…。
資産家のおじいちゃんと出会う!

ドキドキしながらも、待ち合わせ場所に到着します。
高級そうなスーツにシルクハット、金色のステッキと眼鏡を着用した、70代ぐらいのおじいちゃんが迎えにきてくれました。

初めまして。ユウキです。
お迎えに来て頂き、どうもありがとうございます。
本日はどうぞよろしくお願い致します。

○○会社、代表取締役の△△です。

興味津々で話を聞いたところ、
- 歌舞伎町でホストクラブを運営
- ハワイなど海外で飲食店を出店
- 日本国内で老人ホームを経営
- 経営している会社は全部で5社
- 現在70代でビジネス歴は50年以上
という、超エネルギッシュな資産家のおじいちゃんでした。
会社に到着すると、EXILEのAKIRAっぽいスタッフの方が挨拶をしてくれました。
どうやら社長の右腕らしく、一つの会社を任せているらしいです。
もはや仕事の内容に興味はなくなり、おじいちゃんと話している方が楽しかったのですが、とりあえず面接が始まりました。
そして面接が開始!

この方との面接を、私は一生忘れることはないでしょう。
なんせ第一声が、「君はなんてわいせつな指をしているんだ」という一言だったからです。
「わいせつな指」=「エロい指」という意味です。
私はこれまでの人生で、「指が長い」「指が綺麗」「手が大きい」と言われたことは何度もあります。
しかし、「わいせつな指」なんて単語を聞いたことは、一度もありませんでした。

実は、指は人間の体の中で、一番形を作るのが難しいと言われる部分でね。
つまり、指が長いのは優秀な遺伝子の証拠。
優秀な遺伝子を持った男性の子どもを産みたいと思う、女性の本能を表していると言える訳だ。
それにしても、その長い指で女性を喜ばせている訳か…。
私にも少し分けて欲しいよ。
いきなりど下ネタ全開のトークで、面接が始まりました。
その後も、「サラサラの黒髪が美しい」とか、「笑った時の広角の上がり方がセクシーだ」とか、「眉毛と目の間のバランスが素晴らしい」とか、やたらと褒めまくってくれます。
男性から、しかも70代のおじいちゃんから、ここまで褒められるのは人生で初めてでした。
さすがホストクラブの経営者。
普通の人とは視点が違いますし、人を褒めるのがめちゃくちゃ上手いです。
もはやホストへの興味は吹っ飛んでいましたが、普段関わらない世界だった為、気になっていたことを質問しました。

人間は外見よりも中身の方が大事だと、よく言いますよね?
容姿の良し悪しに関係なく、中身が人気でNo1になったホストはいますか?

人は見た目じゃない?そんな言葉は嘘だよ。
人は見た目じゃないは嘘?

「人は見た目が9割」
爆発的にヒットしたビジネス書です。

それ、堂々と言っちゃって良いの?
という気持ちで、私も購入しました 笑
人は見た目が大事。
そんなことは皆、わかっています。
わかっているけど、それを言うのはタブーだから、「人は見た目じゃない!」と誤魔化してきた訳です。
それをこの社長は、「人は見た目じゃない?そんな言葉は嘘だよ。」とはっきり言い切りました。

外見と中身の両方が優れている人間がNo1になれる。
ルックスが良くて中身も優れている人間と、ルックスは悪いが中身が優れている人間。
当然、前者のホストを選ぶだろう?
ぐうの音も出ない正論です。
昔、M-1グランプリを立ち上げた島田紳助さんが、こんなようなことを言っていました。
才能1で努力10をした人間は、1(才能)×10(努力)=10(結果)になる。
才能10で努力10をした人間は、10(才能)×10(努力)=100(結果)になる。
つまり、才能のない人間が、才能のある人間に勝つ為には、努力でカバーをするしかない。
by.島田紳介
うろ覚えではありますが、こんな感じの意味だったと思います。
ホストの世界であれば、外見が良いのは生まれ持った才能でしょう。
外見だけが全てとは言いませんが、ルックスが優れていればそれだけ成功しやすいということです。
言い換えると、どれだけ才能に溢れた人間でも、努力をしなければ結果に繋がらないという意味です。
容姿端麗のイケメンホストにしても、トークが面白くなければ指名は取れないでしょう。
トーク力を磨く努力が必要です。
トークの面白いホストがいたにしても、ぶよぶよに太っていれば嫌悪感を抱かれるかもしれません。
痩せる努力が必要です。
ホストにとって容姿(才能)はもちろん大事ですが、中身(努力)が伴っていなければ、結局は人気No1にはなれない。
そして容姿(才能)が優れていないホストは、誰よりも中身(努力)を磨いて勝負をするしかない。
当時はビジネス経験もない若造だったので、そこまで深く考えていませんでした。
今にしても思えば、社長はそんなことを言いたかったのかもしれません。
どれだけ才能のある人間だったとしても、全く努力をしなければ結果は出ない。
ビジネスは勝てる土俵で勝負をしろ!

今やインターネットの普及もあり、個人起業家が増えてきました。
ブロガーやらユーチューバーやら、インターネットを駆使して生計を立てている人は沢山います。
私も会社員を辞めてからは、Webマーケティング業界で起業しました。
この世界は特別な才能がなくても、正しい方向性で努力ができれば、人並み以上の生活はできると思います。
(才能があるに越したことはないです。)
私が尊敬する東進ハイスクール林修先生が、以前テレビでこんなことを言っていました。
得意分野や才能のある分野など、できるだけ少ない努力で勝てる土俵で戦えという意味です。
私は小学生の頃、遊戯王カードにハマっていました。
モンスターを戦わせるカードゲームなのですが、モンスターにはそれぞれ種族と、得意なフィールドが設定されています。
ドラゴン族や鳥族のモンスターは、山のフィールドだと攻撃力や守備力が上がります。
ドラゴン族や鳥族にとって、山は少ない努力で勝てる土俵です。
仕事の適性もこれと同じです。
容姿が優れてトークも上手い人間がホストに向いているように、人には勝てる土俵があります。
私が今からジャニーズJr.に入り、他のジュニア達とデビューを競い合うのは無謀な話です 笑
年齢制限はないらしいですが、まず書類審査で落とされます。
歌も踊りも未経験の30代既婚者が、10代のフレッシュな若者相手に戦うのはめちゃくちゃ厳しいです。
ホストクラブも同様です。
面接で色々と話を聞いて、この世界は自分には向いていないと思い辞退しました。

才能よりも好きなことを優先するも自由です。
稼げる仕事よりもやりたい仕事を優先するも自由です。
敢えて無謀な挑戦にチャレンジするも自由です。
その選択に正しいも間違っているもありません。
重要なのは、何を目的にビジネスをするかだと思います。
私がホストという仕事にやりがいを感じて、多くの女性を幸せにしたいという目的を持っていたら、働いていたかもしれません。
トーク術や接客技術を学び、ビジネススキルを養うという目的を持っていた場合も、働いていたかもしれません。
しかし、私の当時の目的は、できるだけ効率よくお金を稼いで、独立するまでの生活を食い繋ぐことです。
ホストの仕事自体に興味はありませんでした。
だったら、負ける可能性の高い土俵で勝負するよりも、勝てる可能性の高い土俵で勝負をした方が、効率良くお金を稼げるんじゃないの?って話です。
正しい場所で、正しい方向性で、十分な量をこなした努力は報われる。
これも林修先生の言葉です。
どんな場所で戦うのか、土俵選びは大事だと思います。
人には人の適性がある!

独立後は、私も外注さんに仕事をお願いする立場になりました。
以前、文章を書くのが飛び抜けて上手いライターさんと仕事をしたことがあります。
毎回ボリュームたっぷりで、独自性溢れる読みやすい記事を納めてくれました。
しかし、非常に真面目な方で、手を抜くことが中々できません。

適量がわからず、ちょっと気合を入れすぎてしまいました。
もう少し記事のボリュームを落とせば、記事を書くスピードを上げられるかもしれません。
こんなメッセージを度々もらいました。
契約内容は、1日2記事です。
しかし、彼女の性格を考えると、2日に1記事ぐらいがちょうど良いかと思いました。
記事のクオリティは抜群に高いので、短い納期で焦って書くよりも、余裕を持って書いてもらう方が適性が伸びると感じたからです。
何よりも非常に真面目な方だったので、多少ゆるい環境の方が、彼女にとっては働きやすいと思いました。

いつもありがとうございます!
納期はそんなに気にしないで良いので、気負わず楽しみながら、伸び伸び好きに書いてください!
当然これは、彼女の適性だからこその特別条件です。
人によって力を発揮しやすい場面や、働きやすい環境は全く違います。
納期が短い方が集中して作業ができる方もいれば、自由にのびのび作業をするのが向いている方もいます。
外注さんを雇うにしてもビジネスなので、利益や条件を考えた方が良いです。
ただ、今後伸びていきそうな人や、条件を変えれば力を発揮できそうな人には、その人に合った環境を提供してあげることで、お互いに良い結果をもたらすと思います。
以前読んだ本に、こんなことが書かれていました。
親は画用紙とクレヨンを買って、
好きなだけ絵を描かせてあげることで、
その子の適性が磨かれていく。
反対に、「あなたには才能がない」とか、
「そんなことより勉強しなさい」とか、
好きなことから遠ざけてしまうのは、
本来伸びるはずの適性を、摘んでしまうことになる。
自分自身が勝てる土俵を選ぶのはもちろん、相手の才能を見極めて、力が発揮しやすいフィールドを整えてあげることも大切なのかな。
経営者の立場になってからは、そんなことを考えるようにもなりました。
ホストクラブ経営者から学んだことまとめ!

結果的に辞退はしたものの、20代前半の若造だった私にとっては、中々面白い話が聞けました。
怪しい会社だと思っていましたが、思ったよりも普通の業務形態でしたし、社長もフランクで話しやすかったです。
最後に、社長から提案を受けました。

お酒を飲まなくても勤務できるお店があるけど、そっちには興味あるかい?


週3ペースで半年勤務して指名が取れるようになれば、月に100万円前後は稼げるようになるかな。
普通のホストクラブとは真逆だけどね。



もちろん、お断りしました。
とりあえず、稼げる仕事をしよう!