先日、映画を観に映画館へ出掛けたのですが、上映中に途中退場しました。
映画がつまらなかったのが理由ですが、上映中に途中退場するのは人生で初めてです。
あなたは映画の内容がつまらなかったとしても、我慢して見続けますか?
それとも、途中退場しますか?
実はこの話、埋没費用(サンクコスト)の具体例としてよく挙げられます。
「埋没費用ってなんぞや!?」と思った場合は、今回の記事で説明しているので、ぜひチェックしてみてください。
つまらない映画を観続けるか否か?

私は昔から映画が大好きで、王道映画からマイナー映画まで、かなりの数の映画を観てきたと思います。
私と同様、父親も映画好きだったので、小さい頃はよく一緒に、「木曜洋画劇場」「金曜ロードショー」「日曜洋画劇場」をテレビで観ていました。
木曜日から日曜日にかけての、怒涛の映画ラッシュが好きでしたね。

結婚してからは、映画を楽しむ相方が妻へと変わりました。
妻が映画好きで良かった…。
昔は好きな映画のDVDを集めており、今でもリビングに飾ってあります。
この写真は私のコレクションのほんの一部です。

映画は大好きなのですが、映画館には年に1回行くか行かないかぐらいです。
昔はテレビやDVDで観ることが多く、最近はNetflixやAmazonプライムなど、動画配信サービスで映画を楽しんでいます。
確かに、映画館では大画面と大音量で、迫力のある映像を楽しめるというメリットがあります。
ただ、周りに人が沢山いるのが気になる上に、ジュースを飲むとトイレに行きたくなることも多いです。
その点、自宅では周りが気になりませんし、トイレには行き放題です 笑
どれだけ水分を取っても心配ありません。
リビングにあるのは50インチの4Kテレビですし、音質も良いので、それで十分楽しめます。
「映画は自宅のソファでくつろいで観る派」の私ですが、前々から興味があり、評判も中々良かった映画があったので、映画館へと足を運びました…。
映画開始1分後。

映画開始5分後。

やっぱりつまんないやつだ…。
私は映画を最後まで観るかどうかは、冒頭の5分程度で決めることが多いです。
つまらないと思ったら観るのをやめるか、他の映画に切り替えます。
本当に早い時は1分で決めますね 笑
理由は単純。
時間が勿体無いからです。
多くの映画の時間は90〜120分程度。
その時間を楽しく過ごせたり、何か学ぶことがあれば有意義だと思います。
しかし、つまらないだけの映画に、90〜120分もの時間を費やすのは、時間が勿体無いと思ってしまいます。
そんな時間を過ごすぐらいだったら、読書でもするか、他の面白そうな映画を観る方が良いです。
読書にしてもスマホアプリにしても、「つまんない」とか「必要ない」と思えば、すぐにやめたり削除するタイプですね。
映画は自宅で観る方が圧倒的に多いので、映画館でこの状況になるのは滅多にありません。
何より今回は、一つ大きな問題がありました。
隣の席に妻がいることです。
妻は隣で楽しそうに観ていたので、

と思い、我慢して席に座っていました。
映画開始20分後。

映画つまんないから退出してても良い?

後で合流しよう!
さすがに申し訳なかったのですが、妻は私の性格を熟知しているので、快く承諾してくれました 笑

ちょうどiPadを持っていたので、近くのカフェに入って仕事をしていました。
休日に妻と映画を楽しむはずが、まさかカフェで仕事をすることになるとは…。
映画の途中退場は人生初ですが、同じような状況が20代前半の頃にありました。
まだ私と妻が学生だった頃、一緒にミュージカル映画を観に行きました。

良い映画なのはわかるけど、ぜんっぜん面白くない!
ミュージカル映画は性に合わないな!
(ハイスクールミュージカルは大好きです。)
この時は、「途中退場するのは映画代金が勿体ない!」と考える以上に、「自分から誘ったにも関わらず、デート中に途中退場するのはあり得ないでしょう!」という至極真っ当な考えが強く、2時間30分の超大作を最後まで観続けました。
つまらない映画を我慢して観続けるか?
それとも、割り切って途中退場するか?
実はこの話は、埋没費用(サンクコスト)の具体例としてよく挙げられます。
埋没費用(サンクコスト)とは何か?

埋没費用とは、簡単に言えば、投資や消費などで使用して、戻ってこないお金のことです。
英語ではサンクコストと言います。
例えば、飲食店を経営する為に、初期費用に300万円を支払ったとしましょう。
集客が全くできなかった為、出費だけが続き、初期費用と合わせて600万円の赤字になりました。
この状態で事業を撤廃した場合、600万円はどう足掻いても戻ってきません。
これが埋没費用です。
既に支払ってしまい、戻ってこないお金のことを埋没費用と言う!
この場合は、次の2つのどちらかを決断する必要があります。
- この先に利益が出ると思うから事業を継続する
- この先も赤字続きだと思うから事業を撤廃する
多くの人は、

という「損をしたくない精神」が働く為、事業の撤廃を中々決断できないです。
仮に事業を継続して利益が出た場合は、600万円を回収できるかもしれません。
しかし、事業を継続することで赤字が悪化し、1,000万円を失う可能性もあり得ます。
そう考えると、早めに事業を撤廃した方が、少ない損失で済みます。
つまり本来は、既に支払ってしまった600万円は無視して、事業を継続するか否かを決めた方が良いです。

この流れとそっくりなのが、「つまらない映画を我慢して観続けるか?」「それとも、割り切って途中退場するか?」という決断です。
あなたが120分の映画を観る為に、チケット代金の1,800円を支払いました。
この時点で、支払った1,800円は戻ってきません。
つまり、この1,800円は埋没費用です。
映画を5分ほど観て、あなたは思いました。

あなたはこの時、どんな決断をするでしょうか?

面白くなる方にかけて、映画を観続けるべきか?

この映画はこの先も面白くならない!
つまらなくなる方にかけて、映画館を出て行くべきか?
この場合、映画が面白かったとしても、つまらなかったとしても、1,800円が戻ってくることはありません。
既に映画館に1,800円を支払ってるからです。
つまり、この場合に天秤にかけるべきは、残り115分という貴重な時間を、「映画」に使うか「他の物事」に使うかです。

ところが、多くの人はそんなことをあまり考えません。
既に1,800円を支払ってしまっているので、

ここで出て行くのは、お金が勿体無い!
という感情が働き、つまらない映画を観続けてしまうのです。
20歳そこそこの若造だった私も、実際にそうでしたから。
(一人で観に行っていた場合は、途中退場していたかもしれませんが…。)
お金が勿体無いと思っても、実は時間を損失しています。
本来は既に支払った1,800円は無視して、映画を観続けるか否かを決めた方が良いです。
事業の継続と撤廃を決断する時と同じですね。
私の場合は、これ以上面白くなることはないだろうと思い、途中退場を選びました。
後々妻から聞いたところ、

ただ、あれから盛り上がりはなかったから、途中で退出して正解だったと思う。
とのこと。
結果:途中退場してよかった!
映画を途中退場できる人は投資家向き?
昔、経営者の先輩から勧められて、「インベスターZ」という投資系の漫画を読んだことがあります。
投資部という部活に入った主人公が、先輩たちから投資を学び、活躍していく物語です。
主人公の財前くんが投資部に入ったばかりの頃、先輩たちにいきなり映画館に連れてこられて、一人でつまらない映画を観させられます。
これは、どれだけ早い時間で、映画を途中退場できるかというテストであり、財前くんは確か数分で映画館から出てきました。
先ほども言ったように、つまらない映画を観続けても時間を損失するだけです。
早く見切りを付けた方が、時間の損失は少なく済みます。
これは投資と同じです。
例えば、株式投資で、株が値下がりした場合で考えてみましょう。

ここでやめたらつぎ込んだお金が勿体無い!
と思って投資を続けた場合、更に損失が大きくなる可能性があります。

ここで損切りしよう!
と早めに損切りをすれば、損失が少なく済みます。
飲食店の経営にしても、株式投資にしても、映画観賞にしても、根本的な考えは全て一緒です。
「どのタイミングで損切りができるか?」
この見極めが早ければ早いほど、投資家に向いているということですね。
映画の上映中に退場した話まとめ

一応言っておきます。
今回の記事の内容は飽くまでも、埋没費用の考え方や時間の重要性のお話です。
つまらない映画を途中退場することが、正しいとは言い切れません。
途中で面白くなる可能性もあれば、何か学べることがあるかもしれません。
家族や友達や恋人と一緒に観るのであれば、トークに花が咲くことだってあります。
時間が勿体無いからという理由で、デート中に恋人を一人残して出て行っちゃうとかは、まぁやらない方が良いでしょうね 笑
誰かと一緒に映画を観る際には、場の空気を読みましょう!