僕は職業柄、「どうすれば人がより成長できるのか?」をよく考えています。

社員を雇ってはいませんが、業務委託のパートナーさんに仕事を任せたり、クライアントさんのサポートをする機会があるからです。

褒めることはもちろん大事ですが、時には指摘をする場面も必要ですよね?

そこで今回は、「諭す」「叱る」「怒る」の違いに注目し、最適な教育方法を考えてみました^^

「諭す」「叱る」「怒る」の違いとは?

諭す・叱る・怒る

「諭す」「叱る」「怒る」の3つは、意味が違います。

内容意味
諭す相手に理解をしてもらうために、穏やかな口調で教えること。
相手の成長を促すための行為であり、相手自身に考えさせる。
叱る相手の過ちを正すために、冷静に注意を促すこと。
相手の成長を促すための行為であり、必要な改善点を伝える。
怒る自分の不満や怒りの感情を、強い態度で表現すること。
自分の欲求を満たすための行為であり、教育上は避けた方が良い。

「怒る」ことは、いきなり人から暴力を振るわれるなど、防衛の意味で必要な場面はあるでしょうが、教育の観点からは良くありません。

例えば、仕事なのに寝坊をしてしまい、お客さんとの打ち合わせに遅刻をした部下を教育する場合で考えてみましょう!

諭すの例

Example

相手自身に考えさせて、相手自身が答えにたどり着けるよう、上手く導きます。

この場合の本質的な問題は、「お客さんの貴重な時間を奪っている」という点です。

つまり、遅刻をした部下は「お客さんの時間を奪ってしまったのが問題だ。次回からは寝坊をしないように、対策を考えよう」と、自発的に答えにたどり着くのが重要です。

相手の主体性を育てられるので、最も効果的なアプローチ方法だと思います。

Note

叱るの例

Example

相手の成長を促したり、信頼関係を築くという点でも、基本的には諭す教育の方が有効です。

しかし、道理や法律に反する行為をしたり、重大なミスをしても相手が危機感を感じていない場合など、やむを得ず叱ることが必要な場面もあります。

ただし、その際もただ叱るのではなく、諭すと組み合わせて、相手自身に考えさせることが重要です。

Good

叱るだけではなく、諭すことで主体性を育てられます。

怒るの例

Example

相手の成長を促すことを目的とした「諭す」や「叱る」とは違い、自分の欲求を満たすための行為が「怒る」です。

Warning

今回の本質的な問題は、「お客さんの時間を奪っている」という点であり、自分で対策を考えてもらうことが重要です。

しかし、怒ってしまうと「二度と上司から怒られないようにしよう…」と本質が曖昧になり、部下は上司の顔色や評価を気にして仕事をするようになります。

Bad

大人になってからも、感情のままに怒ったり、飲み会の席で長々と説教をする人もいましたが、そういう場合は心に刺さりません。

自分の期待を僕に押し付けているだけだったり、日頃の鬱憤を晴らしたくて怒っているだけだからです。

Note

20代の頃の体験談

20代の体験談

こんなことを書いている僕ですが、昔は適切な教育ができていませんでした^^;

僕は開業したばかりの頃、業務委託の形で、一部の仕事を人に任せた経験があります。

その際、同じミスを3回繰り返した人に対して、思わず怒ってしまいました。

ユウキ

何回同じミスをするんですか!
僕がこれまでに言ったこと、ちゃんと覚えていますか?

後になって、「自分の教育方法は決して良いものではなかった。怒ってしまったのは、自分自身の未熟さが原因だった」と気付きました。

人が怒る理由には期待が大きく関係しており、当時の僕は次のように考えていました。

Bad

期待とは、自分の身勝手な欲望や願望に過ぎません。

勝手に期待を押し付けられた人からしてみれば、たまったものではないでしょうね^^;

本来であれば、次のように考える方が有益でした。

Good

契約をした以上、その人を育てるのは僕の役目です。

それでも全く成長せず、目標とする成果も出ず、僕が求めている人材ではないと感じた場合は、契約更新を見送れば良いのです。

そんな経験から教育方法を見直し、大事なのは相手の成長を促すことだと気付きました。

Point

まとめ

まとめ

教育とは相手の成長を促す目的で行います。

そのため、「諭す」と「叱る」の使い分けが重要であり、「怒る」ことは避けましょう。

一つの教育方法として、参考にしてもらえると嬉しいです!