「普通はこのやり方をしますよね?」「それが常識じゃないですか!」
クライアントさんとお話ししていると、たまにこんな言葉を耳にします。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてほしいんです。
その「普通」や「常識」って、本当に絶対的なルールでしょうか?
実は、ビジネスで結果を出す人ほど、「普通」や「常識」を疑う力を持っています。
人は誰もが「レンズ」をつけて生きている
大前提として、僕たちはみんな自分だけの「レンズ」を通して世界を見ています。
このレンズとは、色メガネだと思ってください。
同じ事象でも、人によって受け取り方がまったく違うのは、それぞれが違うレンズをつけているからです。
僕はよく「挨拶」を例に出して説明します。
「自分が挨拶をしたら、相手は返すべき」というレンズをつけた人がいるとしましょう。
こういう人は、相手が挨拶を返してくれないと、「なんて非常識な人だ!」と苛立ちを感じます。
日本人には、割と多いタイプかもしれません。
一方、僕は「自分から挨拶はするが、挨拶を返すかどうかは相手次第」というレンズをつけています。
相手の行動はコントロールができませんし、「挨拶を返す」という行為は、自分のために相手が時間を使ってくれる行為だからです。
だから、挨拶が返ってくれば、「自分のために時間を使ってくれてありがとう」と感謝しますし、返ってこなくても苛立ったりはしません。
このように、つけているレンズが違うだけで、世界の見え方が180度変わるのです。
つけている「レンズ」は人によって違う
このレンズは、生まれ育った環境、教育、経験などによって少しずつ作られていきます。
国や文化、世代やコミュニティが変われば、レンズも変わります。
たとえば、日本に住んでいると、「電車は時間通りに来るのが当たり前」と思いがちですよね?
だから、電車が時間通りに来ても「ありがたい」と感謝をせず、少し遅れただけで「なんで時間通りに来ないんだ」と腹を立てるのです。
でも、むかし新婚旅行でイタリアへ行って驚いたのですが、電車が遅れるのは日常茶飯事でした 笑
おそらくイタリア人からしてみれば、「電車は時間通りに来ない」のが当たり前で、「電車が時間通りに来る」ほうがレアなのでしょう。
それどころか、電車内に当然のようにスリがいたり、町中の時計がすべてズレていたり、僕が隣にいるのに妻がナンパされたりと、何もかもが日本と違いました。
ここで非常に厄介なポイントがあります。
それは、多くの人が「自分はレンズをつけていること」に気づいていない点です。
同じ環境に長くいるほどレンズは強力に固定され、「自分が見ている世界を、他人も同じように見ている」と思い込みます。
だから男女のすれ違いや、職場での意見の食い違い、さらには「なんで分かってくれないの?」という人間関係のあらゆる摩擦が生まれてしまうのです。
実際には、僕たちは世界をフラットに見ているのではなく、自分のレンズを通した独自の世界を見ているに過ぎません。
僕がつけていた強力すぎる「レンズ」
僕自身、昔は強力なレンズに支配されていました 笑
「仕事とは、生きるために耐え忍ぶものだ」というレンズです。
僕は新卒で民間企業に就職しましたが、組織特有の暗黙のルールや人間関係などが苦手で、致命的なまでに会社員が向いていませんでした^^;
でも、当時の僕は「仕方のないこと」だと割り切っていました。
「仕事とは、生きるために耐え忍ぶものだ」というレンズをつけていたからです。
そんな僕の転機になったのは、起業をしている大学時代の友人との出会いでした。
友人と話をしているうちに、自分の働き方だけが絶対的な正解ではないと気付かされたのです。

ユウキ
確かに、自分でビジネスをするという選択肢もある。
テクノロジーが発達した今、週5日会社で働くことだけが正解とは言えないな。
会社員として働いても良いし、経営者としてビジネスをしても良い。
雇われて週5日働いても良いし、仕組みを作って週1日だけビジネスをしても良い。
要は、働き方は人それぞれなんです。
僕の目から古いレンズが外れ、新しいレンズが装着された瞬間でした。
世界が変わったわけではありません。
僕の内面が変わったことで、世界の見え方が変わったのです。
このように、世界の見え方が大きく変わることを、パラダイムシフトと呼びます。
ビジネスでも「レンズ」を疑える人は圧倒的に結果を出す
自分のレンズを疑える人は、ビジネスでも結果を出しやすいです。
というよりも、必須の力だと思っています。
たとえば、「今の時代に集客するなら、SNSを育てるのは必須だよね!」というレンズをつけている人は、多いかもしれません。
もちろん、SNSは非常に有効な集客手段ですが、それが唯一の正解ではありません。
僕にも、SNSでの集客に積極的に取り組んでいた時期がありました。
しかし、短い発信を繰り返すスタイルよりも、じっくり深掘りして届けるスタイルの方が、自分の適性には合っていたのです。
そこで、SNSを育てるのはやめて、ブログやメルマガを中心としたメディアを育てて価値を届けるスタイルに切り替えました。
結果として売り上げは伸びて、今でも何ら問題なく事業を継続できています。
もしも「SNSは絶対に育てるべき」というレンズに固執していたら、おそらく今の結果はありませんでした。
結局のところ、ビジネスのやり方なんて人それぞれです。
絶対的な正解があるのなら、世の中の人は全員億万長者になっています 笑
だからこそ、大切なのは自分のレンズを疑うことです。
同じレンズをかけ続ける限り、見える景色は何も変わりません。
しかし、一度そのレンズを外してみると、今まで見えていなかった選択肢が見えてきます。
目指すのは「レンズ」を自由自在に付け替えられる人
ここでひとつ、とても大切な補足があります。
「自分のレンズを疑おう」と言うと、 「世間の普通や常識なんて無視すればいい」 と極端に捉えてしまう人がいます。
ですが、世間の普通や常識を理解しておくことは、ビジネスにおいて極めて重要です。
たとえば、僕は「インサイド・アウト(他者や環境など外部の変化を求めるのではなく、自分の内面や行動を変える)」というレンズをつけて世界を見ています。
一方で、世の中の多くの人は「アウトサイド・イン(自分の内面や行動を変えるのではなく、他者や環境など外部の変化を求める)」というレンズをつけて世界を見ています。
もし僕が、インサイド・アウトのレンズしか持っていなかったらどうなるでしょう?
アウトサイド・インの人の気持ちが、全く理解できなくなってしまいます。
それはつまり、多くの人が何に悩み、どんな葛藤を抱えているのかという、リアルな感情が見えなくなるということです。
相手の見ている世界を想像できなければ、心に響く言葉を届けることも、理想の未来へ導くこともできません。
端的に言えば、お客さんから選ばれにくいのです。
だからこそ、僕はあえて「アウトサイド・インのレンズ」も手元に揃えておき、必要に応じて付け替えるようにしています。
・相手の悩みやニーズに寄り添うとき: 相手のレンズを装着して、その世界を深く理解する。
・自分の行動や戦略を決めるとき: 自分のレンズを疑い、より良いレンズがないかを模索する。
僕の考える優秀なビジネスマンとは、普通や常識に縛られる人ではありません。
かといって、普通や常識を否定したり、排除したりする人でもありません。
普通や常識というレンズを持ちながらも、状況に応じて自由自在に付け替えられる人です。
まとめ
僕たちの多くは、自分がレンズを通して世界を見ていることに気づいていません。
だからこそ、たまに立ち止まって自分に問いかけてみてください。
「いま自分が見ている世界は、レンズによって歪められてしまっているのではないか?」と。
「普通」や「常識」も、ただ多くの人が持っているレンズの1つに過ぎません。
そのレンズが可能性を狭めているのであれば、思い切って外してしまってOKです。
レンズを付け替えた瞬間、あなたの目の前には、まったく新しい世界が広がっています。




