僕が起業したのは2014年ですが、昔と今とでは、事業の環境はガラッと変わりました。
昔は商品の良さだけで売れましたが、今はそれだけでは相当難しいと思います。
現代で意識してほしいのは、「RPGの主人公として理想の未来を目指す」という考え方です。
これまでの経験と、今後の流れを予測して辿り着いた考えなので、ぜひ参考にしてみてください^^
ビジネスの定義とは?


愛犬ムース
RPGの主人公として理想の未来を目指す…。
なんかカッコいいけど、よくわかんないね。

ユウキ
話をわかりやすくするために、まずはビジネスの定義について考えてみよう。
愛犬は、ビジネスの定義はわかるかい?

愛犬ムース
昔から「ビジネス」=「問題解決」ってよく言われるよね。
例えば、太って悩んでいる人に対して、ダイエットのサポートを提供して解決するとかね。

ユウキ
もちろん、それもビジネスの本質を捉えた正解のひとつだね。
でも僕は、「顧客を理想の未来へ導くこと」と考える方が、より本質的だと思っているよ。

愛犬ムース
「理想の未来へ導く」って、どういうこと?

ユウキ
それじゃあ、太って悩んでいる人を例に考えてみようか。
まず大切なのが、「ニーズ」について理解すること。
ニーズとは、お客さんが抱える問題や課題のことです。
主に2種類のニーズがあります。
種類 | 説明 | 例 |
---|---|---|
顕在ニーズ | 自分で気づいている、表面的な悩みや願望。 | 痩せたい。 |
潜在ニーズ | 自分では気づいていない、本質的な悩みや願望。 | 健康的な生活を送りたい。 |
人は、本当に自分が求めているものには気づきにくいです。
例えば、体重が10キロも増えたとしたら、「痩せたい」と感じるでしょう。
しかし、心の奥底には「健康的な生活を送りたい」「自分に自信を持ちたい」という本当の願いが隠れています。
多くの人は、その本音に気づかないまま、表面的な目標だけを追いかけてしまうのです。

愛犬ムース
なるほど。
「顕在ニーズ」だけではなくて、「潜在ニーズ」を満たすことが、本当の問題解決に繋がるんだね!
「痩せたい」というニーズに応えるために、無理なダイエット方法を教えたとして、リバウンドしちゃったら意味ないもんね。

ユウキ
そういうこと!
そして、ニーズを満たすために必要になるのが「ウォンツ」なんだ。
ウォンツとは、ニーズを満たすための手段に対する欲求のことです。
主に3種類のウォンツがあります。
種類 | 説明 | 例 |
---|---|---|
基本ウォンツ | ニーズを満たすために、商品・サービスを求める欲求。 | ダイエットの方法を教わりたい。 |
条件ウォンツ | 基本ウォンツに加えて、より良い条件を求める欲求。 | リバウンドをしないダイエットの方法を教わりたい。 |
期待ウォンツ | 過去の経験から形成される、満たされて当然だと感じる欲求。 | ダイエットの専門家が指導をしてくれるはず。 |
ここで特に気をつけたいのが、「期待ウォンツ」の扱いです。
商品に問題がなくても、「期待以上の効果がなかった」と不満を感じる人もいます。
お客さんの過去の経験や思い込みから、満たされて当然という期待が生まれるためです。
例えば、日本では電車が時刻通りに来るのが普通なので、少しでも遅延すると「遅れた」と感じます。
しかし、電車が遅れるのが普通の国では、「時刻通りに電車が来る」なんて期待しません。
日本はサービスの水準が高いので、「お金を払えばこれぐらいはしてもらえるだろう」と考える人は多いと思います。
だからこそ、過剰に期待を膨らませるのではなく、誠実に商品の価値を伝えることを意識しましょう。
関連記事:お客さんから難しい依頼を受けた時に、僕が実践している対処法

愛犬ムース
「痩せたい」というニーズを満たすために、まずは「ダイエットの方法を知りたい」という基本ウォンツが生まれ、そこから「リバウンドをしない方が良い」という条件ウォンツに進み、最後には「専門家が教えてくれるだろう」という期待ウォンツへと、段階的に欲求が高まっていくんだね。

ユウキ
その通り。
で、ここからがすっごく重要!
多くの人は顕在ニーズを満たそうとして、手っ取り早い解決策を求めがちなんだ。
極端な例ですが、「一週間で10キロ痩せられるダイエット方法」を打ち出せば、飛びつく人はいるでしょう。
そんな方法が存在し、実際に一週間で10キロ痩せられたとしても、体調を崩すでしょうし、ほぼ確実にリバウンドします^^;
「太って悩んでいる」という問題を一時的に解決できるかもしれませんが、「健康的な生活を送りたい」という潜在ニーズまでは満たせないのです。

愛犬ムース
今回の例で言うと、「一時的に痩せる未来」ではなく、「健康的な生活ができる未来」へと導くことが大事というわけか。
表面的な問題解決にも価値はあるけど、本質的な問題解決をした方が、より価値は高くなるもんね。

ユウキ
うん。
だから僕は、「顧客を理想の未来へと導くこと」をビジネスの定義にしているんだ^^
昔のビジネスは、「今の悩みをすぐに解決すること」にフォーカスしたものが多かったように思います。
おそらくそれは、テレビCMなど一方通行のメディアが主流だったからです。
限られた時間で、多くの人に一瞬で伝えるには、シンプルで即効性のあるメッセージが求められました。
だからこそ、顕在ニーズに応える打ち出し方が中心だったのです。

愛犬ムース
それに対して現代は、ブログやYouTubeなど双方向のメディアが主流になり、商品の選択肢も増えたよね。
つまり、人は企業や個人と対話しながら、自分に合ったものを選べるようになったのか。

ユウキ
そうだね。
もちろん今でも、お客さんは「表面上の問題を解決する商品」にも価値を感じているし、需要もある。
でも、それだけでなく、「自分の価値観に合っていたり、理想の未来へと繋がる商品」を求める人も、増えてきていると思うよ。
現代ビジネスの秘訣とは?


愛犬ムース
だいぶ前フリが長かったけど、RPGの主人公とどう関係してくるの?

ユウキ
顧客を理想の未来へと導くための流れが、RPGとかなり近いんだ。
RPG(ロールプレイングゲーム)とは、プレイヤーが物語の主人公になり、目的達成のために冒険を進めていくゲームです。
次の3つの観点から、ビジネスとの共通点があります。
・旗を掲げる
・仲間を集める
・人を導く
旗を掲げる
RPGの主人公たちは、「魔王を倒して世界を救う」「滅びかけた国を立て直す」など、理想という旗を掲げて旅に出ます。
その理想に共感した仲間が集まり、同じ方向へと進んでいくのです。

ビジネスもこれと同じで、旗を掲げる必要があります。
それはつまり、「あなたをこんな未来へ導きます」「一緒にこの未来を目指しましょう」と、明確な目的地を示すことです。
社会的な理想を語ることは大切ですが、それだけではお客さんにとって少し遠い存在に感じられてしまいます。
大切なのは、「お客さんがいま手に入れたい」と感じている未来を示すことです。
例えば、僕が目指しているのは、「一人ひとりの個性が輝き、尊重し合い、笑顔があふれる社会」です。
これはいわば、王道なRPGでいう「世界の人々が幸せに暮らせる未来」という、最終目的にあたります。
しかし、多くの人は、最初からそんな壮大な目的にはピンと来ません 笑
「素敵な社会だと思うけど、何より私は集客の問題を解決したいんです!」と感じるのが本音だと思います。
だから僕は、「価値観の合う理想のお客さんが自然と集まり、事業の売上と自由な時間の両方が増え、心と体にゆとりのある活動ができる未来」を、旗として掲げています。

これが、お客さんにとっての冒険の目的になります。
そして、その冒険の先に、僕が思い描く「個性を尊重できる社会」という最終目的があるんです。
仲間を集める
ビジネスにおける「集客」は、RPGでいう「仲間集め」とよく似ています。
ただ人を集めれば良いのではありません。
大事なのは、あなたの理念に共感してくれる人を集めることです。

理念に共感してくれる人とは、話していて心地が良いですし、一緒にいてもストレスがありません。
反対に、まったく感覚が合わない人と関わると、会話の端々でズレが出てきて、何気ないやり取りがストレスになります。
僕も疲れますし、相手もきっと居心地が悪いです^^;
だからお客さんは、「この人を助けたい」「この人に喜んでほしい」「この人と一緒に成長したい」と、感じられるような人が理想です。
例えば、僕が一緒に活動したいと思っているのは、「自社の商品を広めて社会を豊かにしたい!」と本気で願っている人です。
反対に、「理念なんてどうでも良いし、とりあえず事業の売上が伸びればそれで良い!」と思っている人とは、一緒に活動したくありません。
だから僕は、集客をしてから商品を販売するまでに、自分の想いや理念を発信するようにしています。
メルマガを解除されたり、LINEをブロックされることもありますが、それでいいんです。
「この人とは感覚が合わないな…」と思った場合、早めに離れてくれたほうが、あとからお互いに苦労をしなくて済みます。
自分の想いや理念に共感してくれる人にだけ響けば、それで十分です。
仲間が集まる場所を、コミュニティ(マーケット)と言います。
例えば、公式メルマガや公式LINEもその一種ですね。
想いや理念に共感してくれる人たちの集まりなので、他社と比較をされにくいという特徴があります。
コミュニティに集まった人たちを教育し、理想の未来へ一緒に進むことで、ビジネスが成長していくのです。
関連記事:コミュニティが大きな価値を生む時代へと突入した!
人を導く
かつてのビジネスは、商品が主役でした。

しかし、今は商品があふれていることに加え、AIの発達で情報の価値も下がっています。
商品や情報だけでは、差別化が難しい時代になりました。
商品力だけで勝負すれば、資本力のある大手企業に押されてしまいます。
現代のビジネスでは、商品を販売する「あなた自身」が主役です。
それはつまり、人間性で選ばれる時代へと変わってきたということ。
「何を売るか?」よりも「誰が売るか?」が重要なんです。

RPGでは、勇者という称号や、伝説の武具ではなく、主人公の人間性に惹かれて仲間が集まりますよね?
そして、仲間は主人公に導かれながら、装備を整え、魔王討伐という偉業を成し遂げるのです。
ビジネスもこれと同じで、あくまでも主役はあなた自身。
物語の主人公であるあなたが、理想を叶えるために必要な商品を提供しながら、人を導いていくのです。
僕も昔は、商品を紹介する専門サイトを作っていたことがあります。
当時は、商品の魅力を伝えることが中心で、自分の存在は前面に出していませんでした。
しかし、そのやり方では差別化が難しく、リピーターも生まれにくかったです。
自分を主体にした発信へ切り替えたところ、ファンができて、僕から買ってくれる人が増えました。
ここで押さえておきたいのが、「USP」と「MSP」についてです。
USP(Unique Selling Proposition) | MSP(Me Selling Proposition) |
---|---|
商品の独自性。 商品を選ぶ理由を明確にします。 関連記事:自分の商品の作り方【ヒットコンテンツを5ステップで作る方法】 | 自分の独自性。 あなたから買う理由を明確にします。 関連記事:競争から抜け出すカギは、「何を売るか」ではなく「誰が売るか」 |
昔はUSPが重視されていましたが、今はUSPとMSPの掛け合わせが重要です。
商品の質も大切ですが、それだけで購入してもらえたり、長くリピートをしてもらいにくいです。
「この人と関わり続けたい」と思われる人間力があるかどうかが、問われています。
まとめ


愛犬ムース
今の時代に必要なのは、RPGの主人公のように、周りに良い影響を与えられる人間力。
人を理想の未来へ導く存在として、自分自身を磨き、成長し続けることが大事ということだね。

ユウキ
そして、理念を共有できる仲間を集め、コミュニティを育てることが、これからのビジネスの鍵と言える。
これが、「RPGの主人公として理想の未来を目指す」という僕なりの考え方だよ^^
ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです!