テイカーとは、「与えること」よりも「受け取ること」を優先する人です。
人に求める傾向が強く、ビジネスの現場では「クレクレ君」や「モンスタークライアント」と呼ばれることもあります。
アメリカの心理学者「アダム・グラント」は、著書「与える人こそ成功する時代」の中で、人を次の3種類に分けています。
・ギバー:自分よりも他者の利益を優先する人。受け取る量よりも与える量が多い。
・マッチャー:自分と他者の利益のバランスを考える人。受け取る量と与える量が均等。
・テイカー:他者よりも自分の利益を優先する人。与える量よりも受け取る量が多い。
関連記事:「give & give」を意識することで、人生も事業も上手くいく!
僕も過去、テイカー気質のお客さんとは何度か関わったことがあります。
尋常じゃないぐらい心がすり減りました^^;
最も苦痛だったのは、一対一のコンサルティングを提供した時です。
ミーティングの朝はいつも憂鬱で、チャットが届くたびに動悸に襲われました。
食事も喉を通らなくなり、10日間で約3キロ痩せました 笑
そこで今回は、テイカー気質のお客さんと遭遇した場合の対処法をお伝えします!
テイカーの特徴とは?

僕がこれまでに遭遇したテイカーの特徴をまとめました。
・他責思考:成果が出ないのを他者のせいにする
・依存体質:自分では考えずに人に丸投げする
・期待値が高い:やってもらって当たり前と考える
・プライドが高い:自分の否を認めたがらない
・承認欲求が強い:自分を褒めてほしがる
・自己主張が強い:自分をアピールしたがる
・被害者意識が強い:改善のための指摘を攻撃と受け取る
・感謝が薄い:行為に対して感謝を述べない
・自己中心的:自分の都合や利益を優先する
・見返りを求める:自分が得をしたいと考える
・過度な要求をする:契約範囲を超えた要求を行う
・受け身の姿勢:自ら動かずに相手からの指示を待つ
・短期思考:すぐに良い結果を求める
・二極化思考:物事を「良い」「悪い」の二極化で考える
・視野が狭い:物事を俯瞰して捉えられない
複数当てはまると、かなり厄介です。
例えば、「他責思考」×「期待値が高い」×「受け身の姿勢」というテイカーがいるとしましょう。
この場合、「指示を出してもらって当たり前」と考えるので、連絡をしないとこうなります。

男性
どうしてあなたから連絡をくれないんですか?
あなたのせいで結果が出なかったじゃないですか!
多くの人は、「質問や相談を自分からしよう」と主体的に行動します。
しかし、テイカーは主体性が欠けており、人に求める傾向が強いです。
まともに関わってしまうと、搾取されるので、心がどんどんすり減ります^^;
僕は対人関係のストレスを受けやすいので、特にダメージが大きいです 笑
最初から理不尽な要求が多いなど、露骨なテイカーであれば、契約前に気付けます。
厄介なのは、徐々にテイカーの片鱗を見せてくるタイプです。
最初は礼儀正しく丁寧に接してくれて、こちらの提案にも「すごく良いですね!」と前向きに反応します。
しかし、徐々に「依存」や「要求」が増え、最終的には「自分の思い通りにならないと不満をぶつけてくる」ようになるのです。
このタイプは見極めるのが難しいので、上手く対処する必要があります。
テイカーを寄せ付けないための対処法

まず大事なのは、テイカーを寄せ付けないこと。
お客さんになることを阻止しましょう!
有効な対処法がこちらです。
・情報発信をする
・商品の提供方法に気をつける
・商品を提供する人を厳選する
・事前に上手く見極める
・新規顧客は短い期間で契約する
・できるだけ距離を取る
情報発信をする
情報発信しない場合、商品・サービスの効果だけで購入を判断されます。
そうなると、テイカーのような「結果を得たいだけ」の人も寄ってきやすいです。
そのため、理念や価値観を含めた情報発信をしてください。
自分の考え方に共感してくれる人が集まるので、ある程度はテイカーを遠ざけられます^^
表現方法に気をつける
楽して結果が出るような表現をしてしまうと、テイカーは寄ってきやすいです。
例えば、次の2つの表現の場合、Aの方がテイカーが集まりやすい傾向があります。
A.LP制作はChatGPTに丸投げしよう!
B.ChatGPTと二人三脚でLPを制作しよう!
AはChatGPTに全てを任せるイメージで、BはChatGPTと協力し合って作業をするイメージだからです。
どれだけ表現方法に気をつけていても、一定数のテイカーは防げません。
しかし、あまりにテイカーが多い場合、自分の表現方法が適切かどうかを、一度見直してみてください。
商品を提供する人を厳選する
販売ページで、「こういう人のみお申し込みください」「こういう人は購入しないでください」とはっきり記載しましょう。
・主体性を持って行動ができる人のみお申し込みください。
・100%良い結果を求める場合は、申し込みをお控えください。
「購入してほしい人」や「購入を避けてほしい人」を記入することで、テイカーを避けやすくなります。
事前に上手く見極める
文章や会話で、テイカーを見極めましょう。
例えば、下記のようなメールが送られてきた場合、テイカーの危険性があります。
・挨拶もなく質問だけ送ってくる
・返信必ずお願いしますと記入されている
・やたらと自分語りをしてくる
与えられて当然と思っていたり、承認欲求にまみれている可能性があります。
また、僕はコンサルティングを提供する際、事前に無料相談を行い、テイカーではないかどうかを見極めます。
「この人は期待値が高すぎるな…」「依存体質の傾向があるな…」など、危ないと思った場合は、丁重にお断りしてください。
あくまでも僕や仕事仲間の経験則ですが、過剰にこちらを持ち上げてくる場合、テイカーの可能性が高いです。
「この人なら私を助けてくれるはず」「この人なら私を満たしてくれるはず」という、過剰な期待や依存心が隠れているのだと思います。
満たされない場合、急に攻撃的になったり、不満をぶちまけられる可能性が高いです^^;
テイカーの危険性を感じた場合、「今は仕事が忙しいので申し訳ありません」「私のサービスではあなたの求めていることが提供できないと思います」などの上手な理由で、関わりを避けましょう!
新規顧客は短い期間で契約する
新規のお客さんは、できるだけ短い期間で契約するのがおすすめです。
事前に見極められなかった場合も、最低限の付き合いで済みます。
気持ち良く取引ができるお客さんだった場合のみ、長期契約をしましょう!
僕も以前、契約4ヶ月目ぐらいで、「この人はテイカーだな…」と気付いたことがあります。
しかし、4ヶ月契約という短い期間だったため、ダメージを最小限に抑えられました。
できるだけ距離を取る
文章や会話の雰囲気でテイカーだと感じた場合、できるだけ距離を取るのが大事です。
正直に言いますが、僕はメルマガの配信を停止したり、公式LINEのメッセージをブロックすることもあります。
僕はギバーとだけ関わりたいので、テイカーに商品やサービスを購入してほしくありません。
冷たいと思うかもしれませんが、テイカーと関わると心がすり減るので、僕の活動に悪い影響が出ます^^;
そのため、テイカーとは徹底的に距離を取るように心がけています。
テイカーと遭遇したときの対処法

これは僕の仕事仲間も同じことを言っていますが、一定数のテイカーは防げません^^;
お客さんの数%に、テイカーは紛れ込んでしまうと思います。
そんなときの対処法がこちら!
・丁寧にギブをし過ぎない
・できないことははっきり伝える
・期待に応えようとしない
・事実と感情を切り離す
・幼稚な子どもだと考える
・できるだけ早く関わりを断つ
丁寧にギブをし過ぎない
僕は普段ギバーとして、受け取った以上に与えることを意識します。
しかし、テイカーにはマッチャー寄りで接し、与える量が受け取る量よりもほんの少し多いぐらいに止めます。
理由は単純で、ギバーとして接すると「何でも与えてくれる人」と依存され、求めてくる量が増えるからです。
僕は過去、親切心で契約外のサービスを提供したことがありました。
しかし、相手がテイカーだったため、求めてくることがどんどん増えて、最終日には「もっとこうして欲しかった」と不満を言われました。
その時、テイカーに与えすぎるのは逆効果だと悟ったのです^^;
テイカーには、適度なギブに留めておく方が、自己犠牲を避け、心の安定を保てます。
できないことははっきり伝える
今言ったように、テイカーに与えすぎると、「やってもらって当たり前」という認識を持たれます。
どんどん求めてくるようになるので、「それはサービス外なのでできません」と、明確に伝えることが重要です!
期待に応えようとしない
真面目な人ほど、「テイカーの期待に応えなければ!」と思いがちです。
しかし、テイカーの期待に応えることは、実は自分のためにも相手のためにもなりません。
例えば、僕は事業の目的とは、お客さんを理想の未来へ導くことだと考えています。
コンサルティングを提供する際は、クライアントさんを理想の未来へ導くために、「やり方」と「あり方」の両面を教育し、主体性を持った人間として成長できるようサポートしています。
まずは必要なやり方を伝え、クライアントさんに行動してもらう。
わからないことや相談したいことがあれば、その都度連絡をもらう。
添削の際には、答えを教えるのではなく、改善点を伝える。
クライアントさんに考えてもらい、自分で答えに辿り着けるように導く。
関連記事:「魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ」という僕の価値観
ところが、テイカーの多くは、「もっと積極的に連絡をください!」「これも代行してくれませんか?」と期待を押し付けてきます。
その期待に応えようとすればするほど、僕の心はどんどんすり減っていきます。
そして、クライアントさんは主体性が育たず、どんどん依存的になっていくのです。
僕たちの仕事は、「お客さんの期待に応えること」ではなく、「お客さんを理想の未来へ導くこと」です。
期待に応えられなかったとしても、それは人に期待を押し付けている、相手に問題があるだけ。
僕たちが気にする必要は全くありません。
特にテイカーに対しては、この姿勢を強く意識することが大切です。
事実と感情を切り離す
テイカーの多くは、自分の内面に問題があると自覚していません。
そのため、満たされないと不満を言ってきたり、感情的になって怒ることがあります。
いちいち反応していたら精神が持ちません^^;
そこで僕が実践しているのは、事実と感情を切り離して考えることです。
例えば、クライアントさんが「あなたのせいで成果が出ません!」と発言し、辛くなった場合で考えてみます。
事実 | 感情 |
---|---|
クライアントが「あなたのせいで成果が出ません!」と発言した。 | クライアントから責められて辛くなった。 |
誰が見ても同じ出来事が「事実」であり、人によって捉え方が違うのが「感情」です。
事実と感情をセットで考えてしまうと、「申し訳ございません…」と、感情的に反応してしまう可能性があります。
しかし、事実だけを捉えれば、「それは私の責任ではありません」と冷静に対応できます。
これはテイカーと接するときの必須スキルで、意識するだけでもだいぶ楽になります^^
幼稚な子どもだと考える
テイカーとは幼稚な子どもです 笑
不満や文句を言われても、子どもが騒いでいると捉えてください。
ここで感情的に対応すると、言い合いになったり、泥沼化する可能性もあります。
相手は幼稚な子どもだと考え、大人の対応を心がけましょう。
僕は昔、この考え方でテイカーとの契約期間を乗り切りました^^
できるだけ早く関わりを断つ
どんなに工夫をしても、テイカーとの関わりは心に負担がかかります。
契約は穏便に、できるだけ早く解消しましょう!
僕は契約期間が残っている場合は、仕事と割り切って対応します。
契約終了後は、二度と関わりません。
あまりにも酷い場合は、途中で契約を打ち切るのも有りだと思います。
その場合、弁護士さんなど第三者に間に入ってもらうと安全です。
まとめ

テイカーとは、人のエネルギーを吸い取るモンスターに近いです。
一番大事なのは、テイカーを寄せ付けないこと。
それでもお客さんになってしまった場合は、上手く対応して、穏便に関わりを断ちましょう!
僕の周りはギバーばかりなので、たまにテイカーと出会っても耐えられます 笑
「そういう人って一定数はいるよね」と話すだけでも、気持ちが楽になります^^