僕の根底には、一つの確固たるビジネス哲学があります。
それは、「良い企業とは『探す』ものではなく『創る』ものである」という考え方です。
起業するずっと前から、僕はこの想いを胸に抱き続けていました。
企業がもたらす好循環
まず、企業の存在意義とは、突き詰めると「理想社会の実現」です。
それぞれの企業が独自の「ビジョン」を掲げ、そこに向かって進んでいく。
そして、その理想を形にするための具体的な行動指針として存在するのが「バリュー」です。
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たとえば、「誰もが主体的に生きられる社会を創る」といったビジョンを掲げた企業があるとします。
そのビジョンを達成するために、「挑戦」「成長」「感謝」といったバリューが定められるわけです。
ビジョンというゴールに向かい、掲げたバリューを組織のメンバー全員が共有し、日々の業務で体現していく。
そうやって全員が同じ方向性を持って行動するからこそ、ブレのない質の高い商品やサービスが生み出されます。
それがお客さんに届き、喜んでもらうことで、初めて社会への心地よい循環が生まれていく。
理想社会の実現に真っ直ぐ進むためには、その土台となる「良い組織」であることが不可欠です。
良い企業は創るものである
僕は昔から、「良い企業とは、誰かが用意してくれるものではなく、自分たちの手で創っていくものだ」と考えていました。
会社に勤めるのであれば、環境に期待を抱くのではなく、自らが起点となり、良い環境を創るために行動します。
・会社や環境に不満を漏らす暇があるなら、自らが動いて課題を解決する。
・理想の上司を待つのではなく、自らが人格的な上司となり周囲を導く。
・環境が変わるのを期待する前に、自らが成果を出して内側からの変革を行う。
特に僕は、リーマンショックによる「就職氷河期」を経験した世代です。
会社に雇用され、毎月お給料をもらい、集客の仕組みや社会保険をはじめとする環境が維持されていること自体、「決して当たり前ではない」という感覚が強くありました。
会社が提供してくれる仕組みや恩恵には、純粋に深い感謝の気持ちを持つ。
その仕組みや恩恵に依存するのではなく、現場の課題や改善点は自分たちの手で良くしていく。
与えてもらうのを待つのではなく、自らが起点となり、周囲を感化させながら企業を良い方向へと導いていく。
そんな「感謝」と「自立」を軸とした人間。
それこそが、20代の僕が思い描いた、理想のビジネスパーソンとしてのあり方でした。
アルバイトで感じた当事者意識の大切さ
昔、ある業界でアルバイトをしていたときの話です。
その職場は、スタッフへの研修が不十分なまま、一人で現場を任されるような環境でした。
当然ながら、現場のスタッフたちも組織の体質に問題意識は持っていました。
しかし、「うちは昔からこうだから…」と諦めており、改善に向けて声を上げる人は誰もいなかったのです。
僕自身も環境に耐えきれず、その職場をわずか二週間程度で退職することになります。
ただ、お世話になったスタッフの方々や、サービスを利用するお客さん、そしてこれから入ってくる後輩たちのことを考えると、何もせずに去ることはできませんでした。
そこで最後に、職場の問題点と改善案をまとめた書類をPDFで作成し、上層部へ連絡を入れました。
お客さんに価値を届けるためにも、働きやすい職場にするためにも、従業員の教育と環境の整備が何より重要だと考えたからです。
すると、僕の声がエリアマネージャーの元へ届き、「ぜひ話を聞かせてほしい」と面談の機会をいただきました。
話をする中で、その職場では長年にわたり会社の方針とは異なる運営が行われていたことが判明します。
その結果、現場への監査が実施されることになり、長年放置されてきた問題の改善が進められることになりました。
この経験を通じて、僕は改めて感じました。
良い企業とは、誰かが創ってくれるものではない。
自分たちで創るものである。
そのためにも、一人一人が「良い企業は自分たちで創るものだ」という、当事者意識を持つことが大切である。
一人一人が当事者意識を持って行動していれば、現場の状況はもっと早く改善されていたかもしれません。
この一件は、「理想の社会を創るために、自分ができる最善の行動とは何か?」を俯瞰して考えた上での、僕なりの行動でした。
正直に言えば、その行動が本当に企業のためになったのか、今でも確信はありません。
わずか二週間で辞めた新入りが、現場に余計な波風を立ててしまった可能性もあります。
しかし、誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自分の頭で考えた上で最善の行動を取ること。
それこそが、より良い社会を創る第一歩になると僕は信じています。
会社員としての絶望
僕は大学卒業後、会社員として就職した際、こんな理想を胸に掲げていました。

ユウキ
周りの人たちに、良い影響を与えられるような人間であろう。
そして、将来は現場を経験した後で、人事部に異動して社員の教育に携わりたい。
企業とは「人」の集まりのため、社員の教育が何よりも大切です。
だから僕は、「人」を育てる根本の部分に、直接関わりたいと思っていました。
しかし、会社員を続けていく中で、大きな壁にぶち当たります。
僕は、会社員という生き方が絶望的なまでに向いていなかったのです^^;
正直に言えば、これまでの学生生活やアルバイトの経験から、薄々と気づいていました。
特に大きな理由は、組織における特有の人間関係が苦手ということ。
この話をすると、「人間関係が苦手には全く見えない!コミュニケーション能力が高いし、人と関わるのはむしろ得意だよね?」と驚かれます。
確かに、表面上は上手く立ち回っているように見えると思いますが、心の中ではストレスを抱えてしまうことが多いのです。
特に、企業という大きな箱の中には、本当に多様な思惑が渦巻いています。
・理想社会の実現に向けたバリューがあるはずなのに、それを無視する人。
・社会全体の利益ではなく、目先にある自分の利益だけを優先する人。
・組織の課題に気づきながらも、昔からの慣習だからと受け入れてしまう人。
・自分を変えようとはせず、会社や他社が変わることを期待する人。
・自分からは何も動かないまま、会社への不満だけを口にする人。
本来、企業とは「売り手よし(企業)」「買い手よし(顧客)」「世間よし(社会)」の三者が得をする「三方よし」で成り立つものです。
そのための行動を取りたいと思っても、多様な思惑が渦巻く組織の中では、それが叶わない場面に何度も直面します。
僕の考える優秀な会社員とは、複雑な人間関係や組織のしがらみの中でも器用に立ち回り、信頼を積み重ね、人を感化させ、周囲を巻き込みながらも、少しずつ組織を良い方向へ導ける人です。
残念ながら、僕にはその才能がありませんでした。
特に僕は感受性が強いため、多くの人がひしめき合い、複雑な思惑が飛び交う空間にいるだけで、エネルギーを著しく消耗してしまいます。
自分で事業を立ち上げるという決断
突き詰めて考えると、良い企業を創る方法は大きく二つあります。
「誰かが立ち上げた企業に入り、内側から変える」か、「自分自身の手で、一から企業を創り上げる」か、という二択です。
僕は自分の才能を客観的に見たときに、一から自分で創り上げる方が向いていると感じました。
昔から、学校や組織のように、誰かが作った既成の枠組みの中で器用に活動するのが苦手でした。
その一方で、自分で目標を決めてコツコツ取り組んだり、自分の頭で考えながら物事を進めることが得意です。
要は、縛られた環境ではなく、自由な環境で大きな力を発揮できます。
そんな僕にとって、次のような環境は強みを活かしやすいと思いました。
・自分自身でビジョンやバリューを設定し、理想の社会を目指す。
・自分自身で価値ある商品やサービスを作り、お客さんに届ける。
・自分自身を起点として、理念や価値観の共鳴する仲間を集める。
結婚前の妻にも相談したところ、

妻
あなたは絶対に経営者の方が向いているよ!
長年一緒にいるわたしから見ても、才能があると思う!
と言ってくれました。
どの企業も役割が「理想社会の実現」であるならば、その手段として会社員を選ぶか、経営者を選ぶかは個人の自由です。
どうせ一度きりの命の時間を投資するのなら、自分が最も輝けるフィールドで努力した方が良い。
会社員としての才能がないのであれば、向いている経営者として生きれば良いと思ったのです。
だから僕は、「既存の企業を内側から変える」という方法をやめて、「理想の企業を自分の手で創る」という方法を選択しました。
散々カッコいいことを書きましたが、本音で話すと、

ユウキ
会社員の才能はないけど、経営者なら向いていそうだな。
面倒な人間関係から解放されたいし、自分で事業を起こそう。
というシンプルな理由から始まった挑戦です 笑
ただ、その決断と挑戦が結果的に、自分の理想とする生き方を形にすることにつながり、株式会社GREENの設立へと結びつきました。
主体的な生き方を続けた結果
株式会社GREENは、僕と妻の二人だけの小さな会社です。
しかし、そんな小さな組織ながらも、理想社会の実現に向かって毎日少しずつ歩めています。
また、僕の発信を起点として、お互いに切磋琢磨し合える仲間たちが集まるようになりました。
周囲に期待をして待つような人たちではなく、「自らが人を導ける存在であろう」「自分たちの手で豊かな社会を作っていこう」という、主体性を持った尊敬できる仲間です。
基本は引きこもって一人でビジネスをしながら、時折気の合う仲間たちと有意義な時間を過ごしています^^
「良い企業とは『探す』ものではなく『創る』ものである」
そんなビジネス哲学を胸に、主体的に行動し続けた結果、僕は自分らしい人生を歩めるようになりました。
そして、20代の僕が思い描いた、理想の人間としてのあり方にも近づけたような気がします。
まとめ
組織や環境に不満を抱き、愚痴をこぼしてしまうことは、おそらく誰でもあると思います。
しかし、それは厳しい言い方をすれば、自分の人生の責任を、周りに委ねてしまっている状態です。
良い企業とは、探して見つけるものではなく、自らを起点として創り上げるもの。
そんな意識を持つだけでも、目の前の景色は少しずつ変わっていくはずです。
そして、その積み重ねが、理想の企業や社会を創る一歩になるのだと思います。




