2014年に起業してから今日まで、数多くの起業家を見てきました。
そんな中で強く感じるのは、ビジネスの世界では「結果を出す人」と「結果を出せない人」が、驚くほど明確に分かれているということ。
同じ環境に身を置き、同じ情報を得て、同じチャンスを与えられても、なぜこれほどまでに差がつくのか?
「努力の量」や「才能の有無」と答える人は多いかもしれませんが、もっと根本的な原因があります。
それが、「パラダイム」の違いです。
パラダイムとは、簡単に言えば「ものの見方」のこと。
人はそれぞれ、「常識」「思い込み」「価値観」という、独自のフィルターを通して世界を見ています。
このフィルターの違いこそが、結果の差を生み出す根本的な原因です。
関連記事:パラダイムを変えれば、人生は変わる。
具体的には、「結果を出す人」と「結果を出せない人」には、次のようなパラダイムの違いがあります。
| 結果を出す人のパラダイム | 結果を出せない人のパラダイム |
|---|---|
| ギバー(与える人)として生きている。 | テイカー(奪う人)として生きている。 |
そこで今回の記事では、この「ギバー」と「テイカー」という2つのパラダイムについて、詳しく解説します。
ギバーとテイカーのパラダイム


妻
夫よ。
「ギバー」と「テイカー」について詳しく教えてくれ。

ユウキ
ものすごくシンプルに言うと、ギバーとは「与える人」で、テイカーとは「奪う人」だよ。
この二組は、根底にある思考の土台が全くの別物なんだ。
| ギバー(与える人)の特徴 | テイカー(奪う人)の特徴 |
|---|---|
| インサイド・アウト(内から外へ) 「自分が相手に何を与えられるか?」を基準に行動する。 | アウトサイド・イン(外から内へ) 「相手が自分に何をしてくれるか?」を基準に行動する。 |

たとえば、僕は妻と一緒に過ごしているとき、「どうすれば妻が心地よく過ごせるか?」「どんな言葉をかければ妻が喜んでくれるか?」と、妻を満たすことを最優先に考えます。
自分が何かをしてもらうこと(テイク)を期待するのではなく、自分が何を与えられるか(ギブ)に意識を集中させる。
これが「ギバー」としてのあり方です。
もし僕がテイカーのパラダイムに陥っていたら、「もっと僕に優しくしてほしい!」「なぜ僕の苦労をわかってくれないんだ!」と、妻に自分を満たしてもらうことばかりを求めていたでしょう。
僕だったら、そんな面倒な人とは関わりたいと思いません。
自らが与えるか、相手に求めるか。
この差が、ギバーとテイカーを分かつ決定的な違いです。
これをビジネスに置き換えると、その差はより顕著になります。
| ギバー(与える人)の思考 | テイカー(奪う人)の思考 |
|---|---|
| 「理想の会社を自分で創ろう」「自分が人を導くリーダーになろう」と、自分の内側から変化を起こす。 | 「自分に合う会社がない」「自分の力を引き出してくれる上司がいない」と、問題の原因を外に求める。 |
自らが起点となって価値を生み出す。
この姿勢こそが、ビジネスで圧倒的な結果を出すための絶対条件です。
相手に与えていても、見返りを求めている場合は本質的なギバーとは言えません。
たとえば、「モテたいから人に優しくしよう」と打算で動いている場合、それはテイカー寄りの考え方です。
本質的なギバーとは、「相手に喜んでほしいから優しくしよう」と、純粋な気持ちで貢献することを指します。
ギバーとテイカーの決定的な違い


妻
どうしてギバーはビジネスが上手くいって、テイカーはビジネスが上手くいかないの?

ユウキ
理由は極めてシンプル。
ギバーは信用が得られ、テイカーは信用が得られないんだ。
ビジネスとは、「信用の積み重ね」です。
誰かを応援したいと思うときや、人から商品を購入するとき、信用が大きな基準になると思います。
| ギバー(与える人)の姿勢 | テイカー(奪う人)の姿勢 |
|---|---|
| ギバーは人に求めず、自らが周りに与えるという貢献に満ちた姿勢をしています。 周囲に価値を与えようと動き、何かを与えられたときには心から感謝をします。 その日々の積み重ねが、「信用」という長期的な資産へと変わっていくのです。 | テイカーは人に求めてばかりで、与えられて当然という傲慢な姿勢をしています。 自分の思い通りに与えられないと、不満を口にしたり、不機嫌な態度を取ります。 そのため、関わる相手に違和感を与えやすく、結果として人が離れていくのです。 |
以前、僕が所属しているビジネス系のコミュニティで、こんな場面を目にしました。

Aさん
◯◯のやり方について、誰か教えてくれませんか?
一人のメンバーが、チャットで質問をしたのです。
すると、別のメンバーが自分の貴重な時間を割き、丁寧に質問に答えました。

Bさん
その場合、◯◯の機能を使うと良いですよ!
具体的なやり方は…。
ここまではよくある光景ですが、その直後のやり取りに違和感がありました。
質問をしたAさんは、「ありがとうございます」といった感謝の言葉もなく、こう続けたのです。

Aさん
それじゃあ、◯◯についても教えてください。
まるで、教えてもらうことが当然の権利であるかのように。
そのやり取りに違和感を覚えたのか、次にBさんは簡潔に答えました。

Bさん
その場合、こちらの記事を見てもらうのが参考になると思います。
→URL
この場合、Aさんがテイカー寄りの行動で、Bさんがギバー寄りの行動です。
僕はこのやり取りを見て、

ユウキ
おそらく、Bさんはビジネスが上手くいっているだろうけど、Aさんは上手くいっていないだろうな…。
と感じました。
テイカーは、与えられることを前提に生きているため、常に「相手が何を与えてくれるか?」に意識が向いています。
そのため、与えられたことに対して、感謝の気持ちが湧きにくい。
一方でギバーは、自らが与えることを前提に生きているため、常に「相手に何を与えられるか?」に意識が向いています。
そのため、与えられたことに対して、自然と感謝の気持ちが湧いてくる。
こうした日常の小さな違いが、やがて埋められないほどの大きな「信用の差」を生むのです。
ここで一つ、心に留めておきたいことがあります。
それは、テイカーの多くが「自分の思考や行動に問題がある」と自覚していない点です。
テイカーは基本的に「心の不足感」を抱えて動いています。
そのため、無意識のうちに日常的な不平不満を口にし、周囲の活力を奪いがちです。
この振る舞いは、家族やパートナーといった「身近な人間関係」ほど顕著に表れます。
「自分のために食事を作ってもらうこと」や「家族のために働いてくれていること」などを当たり前だと思い込み、感謝の言葉が出てこないのです。
「相手に満たしてもらって当然」という傲慢な前提で生きるのか?
それとも、「自分が人を満たせる人間であろう」という貢献を前提に生きるのか?
このパラダイムの違いが、ビジネスが上手くいくかどうかを大きく左右します。
テイカーのパラダイムを感じる瞬間


妻
あなたはコンサルティングなどで、パラダイムの違いが色濃く表れる瞬間を、何度も見ているよね。

ユウキ
そうだね。
おそらく長くビジネスをしている方であれば、ギバーとテイカーはある程度の見分けがつくと思うよ。
たとえば、ギバーは積極的に行動し、わからないことがあれば自ら質問します。
「インサイド・アウト」という、主体的な姿勢に基づいて動いているからです。
一方でテイカーは、「アウトサイド・イン」の傾向が強く、教えてもらうのを待つだけの、受け身の姿勢を取りがちです。
そして、相手が自分の望み通りに動いてくれないと、「なぜ◯◯をしてくれないのですか?」と不満を感じます。
テイカーは依存・他責の傾向が顕著に現れるので、関わっているとすぐに気づきます。
コンサルタントとしては、主体性があり、感謝の心を持っているギバーに対して、「この人を全力で応援したい」と多くのエネルギーを注ぐようになります。
お互いに気持ちよくビジネスができますし、誠実な人の商品やサービスが広まることで、世の中がより豊かになるからです。
一方で、依存的で他責思考の傾向があるテイカーに対しては、注ぐエネルギーも必要最低限にとどめるようになります。
与えれば与えるほど相手は依存してきて、結果的にお互いのためにならないからです。
昔、コンサルティングの提供が終了した後で、クライアントさんの動向を追ったことがあります。
ギバーのパラダイムを持つ人の多くは、たとえサポート期間中に大きな結果が出なかったとしても、その後も行動し続けていました。
しばらくしてから、「あの後、こんな結果が出ました!どうもありがとうございました!」と嬉しい成果報告をくれる人が多かったです。
一方、テイカーのパラダイムを持つ人の多くは、サポート期間が終わると同時に、ピタリと行動が止まってしまいました。
「与えられる環境」がなくなると、途端に自走できなくなってしまうのです。
人によっては、結果が出ない理由を他者や環境など外部の責任に押し付ける人もいます。
それほどにまで、パラダイムがビジネスに与える影響は大きいのです。
ギバーとしての生き方


妻
ギバーのパラダイムで生きるのか?
テイカーのパラダイムで生きるのか?
自分で選択することが大切だね。

ユウキ
そうだね。
ただ、自分がギバーのパラダイムで生きていても、テイカーのパラダイムで生きている人と関わる場面もある。
その場合は、適切な距離を取ることが大切だよ。
僕が起業したばかりの頃、ある経営者の先輩が、こんな言葉をかけてくれました。

先輩
サービスを提供する際には、依存体質・他責思考の人には気をつける事。
ユウキくんが思っている以上に、世の中には未熟な大人がたくさんいるからね 笑
そういう人に出会った場合は、できるだけ早く関わりを断つことが大事だよ。

ユウキ
わかりました!
アドバイスどうもありがとうございます^^
正直に言うと、当時の僕はこう思っていました。

ユウキ
子どもならともかく、成人を過ぎて、依存体質や他責思考の人なんて、そう多くはないだろうな。
主体性を持って生きることが、人間としての土台だからね。
僕自身が「インサイド・アウト」で生きているので、「アウトサイド・イン」で生きている人の気持ちが理解できなかったのです。
しかし、人生経験を積むうちに、世の中には想像以上にテイカーが多いことに気づきました 笑
・与えられることを当然だと思っている人
・自分の思い通りにならないと不機嫌になる人
・感謝ではなく不満が口から出る人
パラダイムとは、育った環境や関わった人によって大きく変わります。
具体的には、愛情を注がれて育った人はギバーになりやすく、存在を否定されるような環境で育った人はテイカーになりやすいです。
人生を好転させるためには、より有益なパラダイムへシフトさせる必要があります。
しかし、当然ながら、本人に変わる意思がなければ、パラダイムが変わることはありません。

Aさん
自分の内面には、何も問題はない!
上手くいかないのは、周りの人たちや環境が悪いんだ!
そんな依存・他責のパラダイムを持った相手と向き合い続けると、こちらの精神が消耗してしまいます。
以前、テイカー気質の強いクライアントさんと関わったのですが、ストレスで食事が喉を通らなくなり、体重が3キロ落ちました 笑
こういう場合、「この人と自分はパラダイムが違う。理解し合うことはできない」と割り切り、関わりを断つことが大切です。
現在は、僕とパラダイムが同じ「ギバー」「インサイド・アウト」の人とだけお付き合いできるように、お客さんを意図的に絞り込んでいます。
このように、与える相手を見極めてギブを行うあり方を「他者志向型ギバー」と言います。
一方で、テイカーのような依存体質の人にも与え続けてしまうあり方を「自己犠牲型ギバー」と言います。
自己犠牲型ギバーは、一見すると優しい人間のように見えるかもしれません。
しかし、テイカーの依存度を強めてしまう可能性が高く、本当の意味で相手のためにはなりません。
また、与える側がエネルギーを消耗するため、精神的に枯渇し、継続的な価値提供ができなくなります。
だからこそ、与える相手を選択する「他者志向型ギバー」を目指すことが、ビジネス成功の秘訣なのです。
関連記事:「自己犠牲型ギバー」ではなく、「他者志向型ギバー」を目指す!
まとめ

ギバーは周りに求めず、自らが主体となって与え続ける結果、信用を得られ、協力者が増えて、ビジネスが上手くいく。
テイカーは周りに求めてばかりで、他者へ依存し続ける結果、信用を失い、人が離れ、ビジネスが失速する。
この違いが、時間の経過とともに大きな差となって現れます。
だからこそ、より有益なパラダイムに変えていくことが大切です。
まずは、「今の自分は、どんなパラダイムで世界を見ているのか?」を見つめ直してみてください。
その行動が、未来を大きく変える第一歩になります。




