最近、「メタファー:リファンタジオ」というRPGをプレイしました。
大人気ペルソナシリーズを手がけた、「アトラス社」が制作したゲームです。
剣と魔法と様々な種族が存在する、ファンタジーの世界を舞台としています。
プレイしてみて、「事業に通じる要素がたっぷりと詰め込まれているな」と感じました 笑
特に感じたのは、ストーリーが人に与える影響の強さですね。
そこで今回は、「メタファー:リファンタジオ」から学ぶストーリーの影響力をお届けします。
メタファーのあらすじ
物語の舞台は、8つの種族からなる「ユークロニア連合王国」。
この国では、種族間の格差が深刻で、日常的に差別や対立が絶えません。
そんな中、突如として国王が暗殺されました。
すると、種族や身分も関係なく、国民の信託を集めた者が次期国王となる「選挙魔法」が発動。
次期国王を決める、王権競技会が開かれることになります。
王位継承の有力候補である王子は、ある呪いに囚われて、ずっと眠り続けていました。
王子は、種族の違いにとらわれず、すべての人が平等に生きられる世界を願う、心優しい人物です。
王子の親友である主人公は、王子の呪いを解き、次期国王へと導くため、世界を股に掛けた旅に出ます。
メタファーの面白い点は、ゲーム内で、僕たちが暮らす現実世界が「理想郷」として描かれている点です。
主人公が持つ幻想小説の中で、こう表現されています。
「差別も争いもなく、誰もが平等で、お互いを尊重しあって暮らしている世界」
主人公は、幻想小説のストーリーに強く心を惹かれます。
そして、誰もが平等で尊重し合える理想世界を創るため、王子を救う旅に出るのです。
ストーリーテラーからの問い
物語冒頭、僕たちプレイヤーは、ストーリーテラーのモアというキャラクターから、こう問われます。
「幻想とは、現実に影響をもたらさない、無力な作り物か?」
あなたは、この問いに対してどう答えますか?
僕は、「幻想とは、ただの絵空事ではなく、現実に影響をもたらす、有力な作り物である」と思っています。
例えば、ゲーム、漫画、映画、小説、歌など、幻想のストーリーで、自分の生き方がガラッと変わったことがありませんか?
・このゲームをプレイして勇気をもらった!
・この漫画を読んで価値観が変わった!
・この歌を聴いて心が救われた!
幻想のストーリーに影響を受けたことは、誰しもあると思います。
実際、僕はメタファーという幻想のストーリーに感化されて、この記事を書いているわけですからね 笑
さらに、この記事を読んだあなたに、何か気づきやきっかけを与えられたなら、幻想の影響力は、現実世界に確実に及んでいます。
印象に残る部分
メタファーで最も印象に残る部分は、主人公と仲間たちのアーキタイプが目覚めるシーンです。
アーキタイプとは、誰しもが生まれながらにして持っている英雄の力。
己の不安と向き合い、覚悟を決めることで、アーキタイプが目覚めます。
昔のRPGは、外的な力を使って自身を強化することが多かったように思います。
伝説の武器や防具を手に入れて、魔王を倒すといったイメージですね。
しかし、メタファーは違います。
己の不安、弱さ、恐怖など、内なる課題と向き合い、前進する覚悟を決めることで、英雄の力が覚醒し、真の強さを得るのです。
例えば、主人公の仲間の一人に、隔離された島に住むユーファという女の子がいます。
ユーファは島の巫女であり、幼い頃から、神の生贄として生きることを宿命づけられていました。
島に災害が起きたことで、生贄となる覚悟を持って、神のいる神殿へ向かいます。
島の外から来た主人公たちには、神の存在や生贄という習わしが理解できません。
しかし、島の人々は、それを絶対の真実として信じ込み、ユーファに全ての責任を背負わせていました。
ユーファの兄に「妹を救ってくれ」と頼まれた主人公たちは、神殿へ向かい、ユーファと合流します。
神殿の祭壇へと辿り着いた主人公たちとユーファですが、そこにいたのは「神」ではなく「ドラゴン」でした。
主人公たちがドラゴンに戦いを挑む中で、ユーファは叫びます。
「私の生きる意味を奪わないで!私は生贄となり、島の人たちの助けになるために生まれてきた。今さら戦うことなんでできない」
その時、仲間の一人がユーファに尋ねます。
「君の覚悟は素晴らしいが、命を捧げて救ってくれる神など存在しない。君は人を救いたいのか? それとも、自分が救われたいだけなのか?」
ユーファは己の心と向き合い、答えを見出します。
「大好きな島の人たちを救いたい。人を守るために命を捧げるのではなく、人を守るために命を賭けて戦う」
覚悟を決めた瞬間、ユーファにアーキタイプの力が覚醒します。
ドラゴンを倒し、村を守ったのち、島民たちは気づきました。
「自分たちは彼女に依存し、すべての責任を背負わせていた。各々が自分の責任を受け入れ、一人一人の力で村を良くしていこう」
主人公一向とユーファの活躍により、島民たちの心も成長し、島が救われたのでした。
このような心の成長ストーリーが、メタファーでは何度もリアルに描かれます。
現実世界とリンクする部分
メタファーで描かれる心の成長に共感できる人は、きっと多いはずです。
少しだけ、自分の人生を振り返ってみてください。
おそらくあなたにも、人生が大きく変わった瞬間が、一度や二度ぐらいはあると思います。
人生が大きく変わったとき、それはあなたの内面が変わったときではないでしょうか?
多くの人は、人生を変えるために外的な力に頼ろうとします。
最もわかりやすいのが、お金の力です。
「お金さえあれば、自分に自信を持ち、楽しく生きられる」
そう考える人は少なくありません。
しかし、外的な力だけで人生を豊かにできた人を、僕は一人も知りません。
大抵の場合、自分と他者とを比較してしまい、さらに悩みを深めてしまいます。
もちろん、外的な力が人生を変えるきっかけになることはあります。
ですが、人生を根本的に変えるには、自分の内面と向き合うことが必要です。
例えば、僕は次の瞬間に人生が大きく変わりました。
・「自分を信じて挑戦しよう」と、起業を決意したとき。
・「弱さから逃げるのではなく受け入れよう」と、心の弱さと向き合ったとき。
・「世のため人のために生きよう」と、与える人間を志したとき。
己の不安、弱さ、恐怖など、内なる課題と向き合い、前進する覚悟を決めたときです。
時にはパラダイムシフト(考え方や価値観が大きく変わること)が起こり、自分の見ている景色が変わりました。
「過去の失敗や挫折は、すべてこの瞬間のためにあったんだ!」とさえ思える。
メタファーで言うなら、英雄の力が目覚めた瞬間ですね 笑
僕のクライアントさんや仕事仲間にも、こうした経験をしている人は非常に多いです。
人は誰しもストーリーを持っている
ストーリーというと、ゲーム、漫画、映画、小説、歌など、幻想世界のものだけと捉える人も多いでしょう。
しかし、現実世界の僕たちも、誰もが自分だけのストーリーを持っています。
僕が「メタファー」に心を打たれたように、あなたのストーリーにも、人に勇気を与え、行動を促す力が秘められているのです。
「自分にはストーリーなんてないし、あったとしても価値がない」と思うかもしれません。
本当にそうでしょうか?
僕はこれまで、クライアントさんや仕事仲間から話を聞いてきました。
みんな気づいていないだけで、一人ひとりが、心を動かすようなストーリーを持っているのです。
・ある人と出会ったことで、人生が揺れ動いた。
・辛い経験を乗り越えたことで、大きく成長できた。
・自分の弱さと向き合ったことで、新たな道が開けた。
だからこそ、あなたも自分のストーリーを発信してください。
僕はプロフィールや自伝を公開していますが、ストーリーを読んで連絡をくれた人が何人もいます。
幻想が人の心を動かせるならば、あなたのストーリーも、人に影響を与えられます。
そして、ストーリーに惹かれて集まった人を、あなたが描く理想の未来へと導いてください。
ゲーム内では、「差別も争いもなく、誰もが平等で、お互いを尊重しあって暮らしている世界」と表現されている僕たちの世界。
現実には、差別や争いも存在していますし、他者を傷つけるような人間もいます。
そんな現実の中で、理想を掲げ、良い社会を創ろうと奮闘する人もいるのです。
理想とは、最初はただの幻想かもしれません。
しかし、理想に向かって行動することで、人々の心に希望が宿り、やがて現実を動かします。
「理想を掲げた者の背後を、希望はついて回る」
これもまた、メタファーから学んだ大切なことです。
まとめ
メタファーの主人公が、幻想小説に感化されたように、僕もまた「メタファー」という幻想の物語に影響を受けました。
プレイヤーである僕たちに、制作者がこんなメッセージを送っているようにも思えるのです。
「主人公や仲間たちは、幻想に感化され、理想を掲げ、それを現実にした。さぁ、次は君の番だ!」
僕たちもまた、自分のストーリーを発信し、理想を掲げ、人々に影響を与えながら前進する。
それこそが、現実に生きる僕たちの挑戦だと思います。