僕は昔から、上手くいっている人の思考、行動、言動などをよく観察しています。
長期的に結果を出し続け、尚且つ人生を楽しんでいる人の共通点がわかりました。
それは、「視座が高い」ということです。
一方、上手くいっていない人の多くは、視座が低い傾向があります。
僕自身も、30歳を過ぎた辺りから、視座が高くなっていることに気付きました。
会社を立ち上げ、自分の使命が明確になった頃です。
事業が軌道に乗ったから、視座が高まったわけではありません。
視座が高まったから、事業が軌道に乗ったのです。
今回は、人生のステージを上げるために必要な、視座の意味や高め方を解説します!
視座とは何か?

妻
夫よ。
「視座」ってなに?

ユウキ
物事を見る位置のことだよ。
似たような言葉に、「視野」と「視点」もあるね。

視座 | 視野 | 視点 |
---|---|---|
見る位置 (眺める高さ) | 見る範囲 (思考の幅) | 見る角度 (物事の捉え方) |
視座が低い人と視座が高い人の違い

妻
視座が高まると、視野が広がり、視点が柔軟になるんだね。

ユウキ
その通り。
ここで、「視座が低い人」と「視座が高い人」の違いを見てみよう。
例えば、「会社の年間売り上げが前年度の半分以下になった」という事実があったとしましょう。
事実とは、主観や感情を含まず、誰が見ても同じように確認できることです。
・会社の年間売上が前年度の半分以下になった→事実(数字で確認できる)
・会社の経営が悪化した→事実ではない(悪化は人によって捉え方が異なる)
視座が低い人は、視野が狭いので、視点が固定されます。

・視点A:これまで順風満帆に進んできたのに、最悪の事態に陥った…。もうこれ以上は、事業を続けられないな…。
一方、視座が高い人は、視野が広いので、視点を柔軟に変えられます。

・視点A:これまで順風満帆に進んできたのに、最悪の事態に陥った…。もうこれ以上は、事業を続けられないな…。
・視点B:お客さんに、正しく価値を伝えられていなかったかもしれない。これは成長のための学びだと思って、全体の流れをもう一度見直そう。
人によって事実の捉え方が異なるのは、視点が違うからです。
そして、視座を高めることで、より多くの視点を持てるようになります。
言い方を変えると、それまで見えなかったことが、見えるようになるのです。
視座の高い人は、数ある選択肢の中から、最も有益な捉え方を選べるので、最適な行動を取れます。
さらに、自分とは違う見方をしている人の気持ちも理解できるので、人間関係も良好になりやすいです。
一方、視座の低い人は、物事を主観でしか捉えられず、短期的な損得や感情に振り回されやすくなります。
また、自分とは違う見方をする人の気持ちも理解できないので、人間関係が悪化しやすいです。
視座の三大軸

妻
視座を高める上で、意識した方が良いことはある?

ユウキ
僕はいつも、次の3つの軸を意識しているよ。
・時間軸:過去・現在・未来をつなげて考える。
・空間軸:全体の構造を考える。
・人間軸:社会の人たちの立場を考える。
時間軸
いま起きている出来事を、「点」ではなく「線」として捉える軸です。
僕は過去・現在・未来をつなげて、人生を一つのストーリーとして捉えています。

そのため、いま上手くいかないことがあっても、落ち込むことはほぼありません。
未来に繋がる貴重なステップとして捉えるからです。

現代はストーリーを発信する時代です。
挫折や失敗を味わうほど、ストーリーが面白くなり、人生に深みが出ます。
だから壁が立ちはだかっても、ストーリーを面白くするためのエピソードの一つと捉えます。
僕からしてみると、「自分の成長が描かれる面白いストーリーかどうか?」が何より重要なのです。
こんなふうに視座を高めると、過去の挫折や失敗など、「すべての物事に意味があった」と思えます。
過去の経験があってこそ、今の自分が存在するからです。

例えば、僕は25歳で起業したのですが、最初の数年間は挫折や失敗が多かったです。
人間関係に悩みましたし、売り上げも安定しませんでしたし、精神的に参ってしまったこともあります。
一時期は、「生きているのが辛い」と思うぐらい追い込まれていました 笑
そんな状態でも事業を継続できた理由は、「この経験が必ず未来に活きる!」と思っていたからです。
そのため、「30歳になったら、自分のストーリーを自伝として公開しよう!」と考えていました。
挫折や失敗を発信することで、人に勇気を与えられると思ったからです。
2017年に書いた記事に、その時の想いが綴られています。
そして迎えた30歳。
描き上げた自伝がこちらです。
いざストーリーとして発信してみると、過去の経験が今の自分を作り出していることに気づきました。
「過去の挫折や失敗は、すべてこの瞬間のためにあったんだ」とさえ思える。
我ながら、面白いストーリーができたと感動しました^^
視座が低い場合、「過去」「現在」「未来」を、すべて点で考えます。

過去の挫折を「最悪な記憶」として保存し、現在の失敗を「最悪な出来事」として捉え、「理想の未来なんて訪れない」と人生に絶望してしまう。
未来には目を向けず、目先の利益だけを追い求め、人としての成長も阻害されてしまう。
一方、視座を高くすることで、「過去」「現在」「未来」のすべてが線で繋がり、捉え方がガラッと変わります。

過去の経験や出会いのおかげで今の自分があると感謝でき、現在の挫折や失敗さえも未来への糧にできる。
泥臭く地味な仕事があったとしても、理想の未来へつなげるための貴重なステップと捉えて、淡々とこなせる。
これこそ、視座の高い人だけが見ている美しい世界です。
極論ですが、僕は仮に事業に失敗した場合も、「より良い未来へつなげるための貴重な経験」と捉えます。
外で働きながらまた事業を立ち上げれば、それも面白い成長ストーリーとなり、人に勇気を与えられるからです^^
挫折や失敗のない人生はあり得ません。
精神的に不安定になる時期もあれば、事業の売り上げが落ちるときもあります。
だからこそ、視座を高く持ち、壮大なストーリーとして捉えることが大切なんです。
空間軸
物事の「全体像」や「構造」を捉える軸です。
例えば、いま僕はあなたに向けて記事を書いています。
これをかなり広い全体像で捉えると、こんな感じです。

ざっくり言うと、僕は「世と人に尽くす」という生きる意味、「Webマーケティングで世の中を豊かにする」という理念、「情報発信による集客」という事業戦略があり、いま記事を書くという具体的な行動を取っています。
言うなれば、全体像とは地図です。
目的地から逆算をして、いまの行動を決める必要があります。
全体像を理解していないと、目の前の行動にしか焦点を当てられません。

そうなると、ズレが生じやすいです。
・何のための行動かわからなくなってしまう
・理念から逸れた発信をしてしまう
・戦略に沿っていない行動をとってしまう
僕は過去、「自分は何のために生きているのか?」「社会に価値を提供できているのか?」と自問自答する日々を過ごしたことがあります。
地図を失い、やみくもに歩き回り、迷子になってしまったイメージです。
目的地を再設定したことで、地図が完成し、迷子から抜け出せました。
そのため、まずは全体像や構造を把握する必要があります。

その上で、具体的な行動へ落とし込みます。

そして時折、自分の行動がブレていないか、全体像まで広げて確認します。

抽象度を上げたり下げたりする。
Googleマップの拡大や縮小を、ひたすら繰り返すイメージですね。
そうすることで、迷いのない、一貫性のある行動が取りやすくなります。
人間軸
人の「立場」や「心理」を捉える軸です。
「相手の立場で物事を考えるのが大事」とよく言いますが、それはつまり、視座を高めることです。
僕は自分の行動が、目の前の人はもちろん、社会全体にどう反映されるかまで広げて考えます。

1.この記事を執筆する
2.あなたが記事を読む
3.あなたの思考が変わる
4.あなたの行動が変わる
5.世の中に反映される
水の上に垂らした水滴が、破門のように広がっていくイメージですね。
今も、「どう書けばあなたに伝わるのか?」「どう書けばより良い社会へ発展するか?」を、脳みそフル回転で考えています 笑
また、視座が高まると、他者の立場や背景、心理が理解できるようになるため、人にものすごく寛容になれます。

仮に人から悪口や不満を言われても、

ユウキ
この人は、自分の劣等感を処理しきれないんだろうな。
だから、他者を下げたり、責任を押し付けて、安心感を得ているんだ。
と、言葉や感情の裏にある、心の仕組みが見えるので、ダメージが減ります。
この境地に到達すると、感情的にならずに対応できるので、精神的に本当に楽です。
特に、テイカー(「与えること」よりも「受け取ること」を優先する人)と出会ったとき、この捉え方は非常に役立ちます。
一方、視座が低い場合、主観が強くなります。

起業当初、専門用語バリバリの文章を書いてしまったことがありました。
自分目線で発信してしまい、読者さんの目線に立てていなかったことが原因です^^;
また、人にイライラすることも増えます。

他者の立場や背景、心理が理解できず、「自分の捉え方こそが正解だ!」と思い込んでしまうからです。
そして、お互いの視座が低く、見ている世界がまったく違うと、衝突が起こります。
僕は20代半ばの頃、経営者の先輩から「怒るのは人間として二流だ」と言われました。
結局、人が怒るのは視座が低く、自分の主観で物事を捉えてしまうからなんですよね。
「相手が悪い」のではなく、「自分の捉え方に問題がある」と考えた方が、人として成長できます。
今にしてみると当たり前のことですが、当時の僕は新たな世界を垣間見たようで感動しました 笑
時間軸・空間軸・人間軸を合わせる
僕は、頭の良い人とは、物事を多角的な視点から捉え、最適解を導き出せる人だと思っています。
勉強ができるかどうかは、それほど関係ありません。
あくまでもイメージですが、「時間軸」「空間軸」「人間軸」の3つの軸が合わさると、物事を立体で捉えられます。

この立体的な視点を持つことで、物事の本質を理解でき、より良い選択ができるようになります。
おそらく、視座を高めるためには先天的な能力(才能や素質)も関係しています。
僕は昔から考えることが得意でしたし、妻も地頭が良いです。
しかし、後天的にも身につけられると思います。
結局は「思考のクセ」なので、日常的に意識すれば、今よりも視座を高められるはずです。
視座を高める方法

妻
訓練次第で、誰でも頭が良くなるという訳ですな!

ユウキ
うむ。
最後に、僕が昔からずっと意識をしてきた、視座の高め方を紹介するね。
・「なぜ?」をひたすら繰り返す
・抽象化と具体化を意識する
・視座の高い人の思考に触れる
・目の前の出来事から学べることを探す
・自分以外の立場で物事を考える
「なぜ?」をひたすら繰り返す
視座を高める最も簡単な方法です。
「なぜ?」をひたすら繰り返すことで、物事の本質や構造を理解できます。
例えば、テレビ業界の構造はこちら。

スポンサー | テレビ局 | 視聴者 |
---|---|---|
テレビ局に広告費を支払う。 視聴者に商品を購入してもらう。 | 視聴者にテレビ番組を提供する。 スポンサーから広告費をいただく。 | CMで興味を持った商品を購入する。 テレビ局が制作した番組を見る。 |
僕は子どもの頃、この構造を知りませんでした。
何も考えず、ひたすら目の前のテレビを眺めているだけです 笑

そんなある日、僕は思いました。
「・・・どうしてテレビにはCMが流れているんだろう?」
ここから「なぜ?」がスタートします。
- なぜテレビでCMが流れているのか?
スポンサーが広告費を払っているから。
- なぜスポンサーが広告費を払っているのか?
自社の商品やサービスを、視聴者に知ってもらいたいから。
こうやって「なぜ?」を繰り返していくと、構造が理解できます。

今まで見えなかった世界が見えたようで、若き僕は感動したのを覚えています 笑
僕は恩師から、「物事の本質や構造を考えることが大切だ」と教わりました。
そして本質や構造を捉える上で、「なぜ?」をひたすら繰り返すことは効果的です。
・なぜテレビでCMが流れているのか?→スポンサーが広告費を払っているから。(社会やビジネスの構造を知れる)
・なぜ自分は怒ったのか?→相手が思い通りに動いてくれると期待をしたから。(自分の思考や感情の構造を知れる)
抽象化と具体化を意識する
僕は抽象的な物事を具体化し、具体的な物事を抽象化することを、常に意識しています。
例えば、「文章を書く際は、相手目線が大切だよ」と教わったとしましょう。
これを具体化すると次の通り。
抽象的 |
---|
相手目線を意識することが大切。 |
▼
具体化 |
---|
専門用語を避けて読みやすくする。 具体例を交えて理解しやすくする。 ストーリーを使って興味を惹く。 |
抽象的な物事を具体化することで、行動に落とし込みやすくなります。
一方で、「文章を書く際は、専門用語を避けた方が良いよ」と教わったとしましょう。
これを抽象化すると次の通り。
具体的 |
---|
専門用語を避けた方が良い。 |
▼
抽象化 |
---|
相手目線を意識することが大切。 |
具体的な物事を抽象化することで、本質が理解できるようになります。
このように抽象化と具体化を繰り返すのは、視座を高める訓練としておすすめです。

人に伝わる文章を書く際にも、この考え方は役立ちます。
視座の高い人の思考に触れる
視座の高い人の思考に触れることで、自分にはない視点を取り入れられます。
例えば、僕は幼い頃に親から「できるだけ多くの本を読みなさい」と教育を受けました。
僕も読書が好きだったので、これまでに哲学、心理学、自己啓発、経営、ビジネス、マーケティング、小説など、さまざまな本を読みました。
自分にはない思考を取り入れられるので、読めば読むほど見える世界が変わりました。

読書の重要性を説いてくれた親には、心から感謝しています^^
また、人生の恩師に出会ってからは、週2ペースで顔を合わせて、様々なことを学びました。
今でも、月に1〜2回ぐらいのペースで話をしています。
自分よりも視座の高い人の言っていることは、最初はなかなか理解できません。
それでも素直に知識を吸収し、自分の頭で考え、アウトプットを繰り返すことで、いずれ理解できるようになります。
物事の見方やと捉え方が大きく変わることを、「パラダイムシフト」と呼びます。
パラダイムシフトが起こると、視座が高まり、同じ世界でも違った見方をできるようになります^^
目の前の出来事から学べることを探す
僕は目の前の出来事から何を学べるかを意識しています。
視座を高めることはもちろん、情報発信のネタにできるからです 笑
例えば、僕は昔、コンビニで買ったミネラルウォーターから学んだことを記事にしました。
目の前の出来事 |
---|
コンビニでミネラルウォーターを購入。 |
▼
疑問点 |
---|
そういえば、蛇口をひねれば水が出てくるよな。 それなのにどうしてミネラルウォーターが売れるようになったのかな? |
▼
抽象化 |
---|
飲料メーカーが需要を生み出したのが、理由の一つかもしれない。 ・水道水よりも綺麗で、安心・安全に飲めるというイメージを広めた。 ・ミネラルが豊富で、健康や美容にも良いという価値観を広めた。 ・地震などの災害時にもすぐに飲める水として、常備の必要性を広めた。 |
▼
具体化 |
---|
「需要がなければ商品は売れない」 そう思っていたが、需要自体を高める方法もある。 その戦略として、情報発信が効果的だ! |
「コンビニでミネラルウォーターを買う」という目の前の出来事から、「どうしてミネラルウォーターが売れるようになったのか」という背景を考えることで、視座が高められる上に、情報発信のネタが生まれます。
たまに「どうしてそんなにネタが見つかるのですか?」と聞かれますが、四六時中アンテナを張っているからです。
映画を上映開始5分で退出して学んだこと。
妻と一緒に箱根まで散歩して学んだこと。
「メタファー:リファンタジオ」というゲームをプレイして学んだこと。
「人生のすべてを学びに変える」というのが僕のモットーなので(笑)、貪欲に学べることを探しています。
学んだことや気づいたことは、いつもMacのリマインダーにメモするのですが、アウトプットが追い付いていません^^;

「目の前の出来事から何を学べるのか?」
この考えを持つだけでも、視座を高める訓練になります。
さらに、情報発信のネタのストックもできるので、おすすめです!
自分以外の立場で物事を考える
極論を言うと、自我を消してください!笑
主観で捉えるのではなく、社会に存在する人々を思いやれる状態を目指します。
例えば、僕は昔から、決めたことをコツコツ継続できるタイプでした。
夏休みの宿題や試験勉強は、計画を立ててキッチリこなします。
そんな僕の目の前に、全く継続のできない人が現れたとしましょう。
もしも僕が主観だけで物事を捉えた場合、おそらくこんな状態になります。

・自分ができるんだから、相手もできて当たり前。←できて当たり前じゃない。
・こんなこともできないなんて、相手に腹が立つ。←人に期待をしている自分の内面に問題がある。
すべてが自分中心であり、相手の立場にまったく立てていません。
人間関係を上手く築けない人の多くは、このパターンだと思います。
普段から主観ではなく、自分以外の立場で物事を考える癖をつけましょう。

・自分ができるからといって、相手もできるとは限らない。
・できなくて当たり前だし、ありのままの相手を受け入れよう。
特に意識してほしいことは、他者に対して期待を抱かないということ。
期待とは「自分の思い通りになってほしい」というエゴです。
厳しい言い方をしますが、抱いた時点で自分中心(視座が低い)の状態です。
普段から意識するだけでも、自然と視座は高くなっていきます。
まとめ
かなり抽象的な話なので、少し難しかったかもしれません。
僕も「これ伝わるかな…?」と疑問を抱えながら、ここまで書きました 笑
完全に理解できなくても構いません。
少し知っているだけでも、捉え方を変えるきっかけになると思います。
ぜひ普段から、視座を高められるように意識してみてください^^