「どうすれば同業他社よりも、自分の商品を選んでもらえるのか?」
僕は開業してから数年間は、そんなことをずっと考えていました。
だから、サービスの内容を工夫し、価格を調整し、同業他社の商品よりも、如何に優れているかをアピールしていたんです。
でも、あるとき気づきました。

ユウキ
競争は、必ず勝者と敗者を生む。
であれば、競争しない状態こそが最強ではないか!
極論を言うと、競争した時点で負けています 笑
同業他社と比べられない市場を作り出すことが、最大のポイントです。
そのカギとなるのが、自分自身のブランドを築くこと。
「何を売るか」ではなく、「誰が売るか」が重要なのです。
そんなわけで今回は、競争から抜け出すための個人ブランディング戦略を一緒に学んでいきましょう!
商品の内容だけで勝負をするのは厳しい時代


愛犬ムース
ユウキ氏よ。
事業というのは、同業他社とのキツい競争で傷だらけになり、血反吐を吐きながら勝利を納めるものではないか。
競争を降りるなんて、それこそ敗者だよ。

ユウキ
そうか。
それじゃあ愛犬は、そのままキツい競争を続けると良いよ。
僕はみんなが笑顔になれる、競争のない独占市場を目指すから。

愛犬ムース
・・・まぁなんだ、参考までに話だけは聞いておこう。
今の時代、商品の内容だけで勝負をするのは、かなり難しいと思います。
世の中にあらゆる商品が溢れていますし、どんな業界もコモディティ化が進んでいくからです。
コモディティ化とは、商品やサービスが普及し、他社との差別化が難しくなることです。
どの商品も、同じような内容や価格になり、比較されやすくなります。

愛犬ムース
どれだけ独自性のある商品を作ったところで、同業他社に真似されるのが宿命だよね。

ユウキ
うむ。
当然、商品の独自性は意識した方が良いんだけど、商品だけで差別化を図るのは難しいんだ。
よく言われるのは、ライバルチェックをして、競合の少ないニッチな分野でビジネス展開をしていく戦略です。
その戦略自体は間違っていませんが、結局は後からライバルが参入してきてコモディティ化が進みます^^;
ニッチな分野で事業を立ち上げ、売り上げを大きくしたら売却し、また新たな事業を展開していく。
そんな事業量産タイプの起業家にとっては、確かに有効な戦略だと思います。
しかし、僕ように一つの事業を軸に、長く育てていきたいと考えている起業家には、あまり向いていません。
そこで必要なのが、自分自身のブランドを築くことです。
「何を売るか」ではなく、「誰が売るか」に焦点を当てます。
「何を売るか」よりも「誰が売るか」に焦点を当てる


愛犬ムース
「あなたから買いたいんです!」ってやつでしょ。

ユウキ
その通り!
人としての魅力の部分だね。
例えば、パン職人のAさんとBさんがいるとしましょう。
2人のお店は隣同士に並んでおり、種類も価格もほぼ同じです。
しかし、Bさんは明確な理念を打ち出し、パン屋を経営しています。
「日本中の食卓に、パンを届けたい」
私は、小麦アレルギーのため、パンを食べられずに育ちました。
だからこそ、小麦アレルギーの方でも安心して食べられる、米粉や雑穀を使った、やさしくて安全なパンを作っています。
お子さんに「これなら食べられる!」と笑顔になってもらえるように。
毎日の食卓が、安心と笑顔で満たされることを願っています。
あなたなら、AさんとBさん、どちらのパン屋さんでパンを買いますか?

愛犬ムース
僕なら、価格が多少高かったとしてもBさんのパン屋で買うね。
Bさんを心から応援したい。

ユウキ
これは一見、「米粉や雑穀を使った、やさしくて安全なパン」という商品で勝負をしているように見えるかもしれない。
でも、その商品を提供する想いやストーリーなど、Bさんの人間性が溢れ出ているのだ!
人に惹かれた場合、新しい商品でも「この人が売るなら買いたい」と感じやすいです。
好きな歌手が新曲を出したり、好きな漫画家が新作を出したら、内容を知らなくても「欲しい!」と思いませんか?
これは「商品」ではなく「人」に惹かれている状態なので、同業他社と比較されにくくなります。
これは「情報」でもまったく同じです。
いまはインターネットの発達により、誰もが情報発信できるようになりました。
さらに、ChatGPTやGeminiなど生成AIの登場により、必要な情報がすぐに手に入る時代です。
つまり、「どんな情報か?」ではなく、「誰が言った情報か?」が重要になっています。
例えば、あなたの尊敬する人が発信する情報と、少し苦手な人が発信する情報があったとしましょう。
内容が同じでも、尊敬する人の言葉のほうが、心に響きませんか?

愛犬ムース
そうだね。
今回の話も、マーケティング歴の長いユウキ氏が言うから説得力があるのであって、犬のボクが言っても説得力ないもんね。

ユウキ
今の時代は情報が溢れているから、情報自体の価値は薄れている。
だからこそ、その情報を伝える「人」が大切なのだ!
人間性こそが独自性や差別化のポイント


愛犬ムース
商品に独自性を出すのも大事だけど、それ以上に人間力を伝えることが大事なんだね。

ユウキ
うむ。
同じジャンルの商品を販売していても、人には必ず個性があるからね。
例えば、僕はWebマーケターで、中小企業や個人事業主を中心に、Webマーケティングのサポートを提供しています。
同じような事業をしていて、似たような商品を販売している法人・個人は、たくさんいます。
ただ、下記のすべてが僕と一致しているWebマーケターは、一人も見たことがありません。
・使命(なぜその事業をしているのか?)
・目指す社会(どんな社会を実現したいのか?)
・価値観(何を大切に活動しているのか?)
・ストーリー(現在に至るまでにどんな背景があるのか?)
・世界観(どのような世界を表現したいのか?)
・コンセプト(誰に対して、何を届けて、どんな未来へ導くのか?)

愛犬ムース
この世に同じ人間が二人と存在しない以上は、すべてが一致する人が現れるのは、限りなくゼロに近いね。

ユウキ
言葉や仕草は真似できたとしても、経験や想いからにじみ出る「その人らしさ」は、決して再現できないからね。
商品はコピーできても、人間性はコピーできないのだ!
そのため、僕は昔からノウハウだけでなく、自分の想い・理念・物語など、人間味のある部分を発信してきました。
それこそが、同業他社との競争を避け、「僕という人間」を選んでもらうための最大のポイントになると考えていたからです。
実際、僕の商品を買ってくれた人に話を聞くと、本当にありがたいことに「人間性が決め手になりました」と言ってくれる方が多いです。
自分の市場をつくるのが大事


愛犬ムース
自分に惹かれた人が集まってくると、同業他社と比べられない市場になるというわけか。

ユウキ
そうだね。
それは自分のマーケットであり、少し見方を変えるとコミュニティとも言えるかな。

コミュニティとは、共通の目的・価値観・想いなどを持った人たちが集まり、つながりを感じられる場所のことです。
これからの時代、単に商品・サービスを売るだけではなく、コミュニティという「つながりの場」を提供できるかどうかが、事業の存続に大きく関わると考えられています。
関連記事:コミュニティが大きな価値を生む時代へと突入した!
自分の魅力を伝える4つの要素


愛犬ムース
自分自身のブランドを築くためには、どんな要素が必要なの?

ユウキ
僕は特に、次の4つの要素が大事だと思っているよ!
要素 | 意味 | お客さんの感じ方 | 参考記事 |
---|---|---|---|
コンセプト | 誰に、何を届け、どんな未来へ導くのか? | 「自分のことだ!」 | 情報発信のコンセプトを設計しよう【必要な4つのStep】 |
MVV | 使命・目指す社会・価値観 | 「すごく共感できる!」 | 創業12年目にして「企業理念」を見直すことにした! |
ストーリー | 活動に至るまでの背景 | 「心を掴まれた!」 | 人を惹きつけるストーリーの作り方!【神話の法則を活用しよう】 |
世界観 | 表現方法や空気感 | 「この世界に入りたい!」 | 僕が自分の世界観を表現するために意識していること! |
それぞれの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです^^
まとめ

商品の内容だけで勝負をしてしまうと、競争からは抜け出せません。
世の中にあらゆる商品が溢れていて、コモディティ化も進んでいるからです。
だからこそ大事なのは、自分の人間性を全面に出していくこと。
一人ひとり、想いも価値観もストーリーも違うので、それが唯一無二の独自性になります^^
「何を売るか」ではなく「誰が売るか」を、ぜひ意識してみてください!